2024/07/26
ある編集者のつぶやき #30 アメリカの大手書店チェーン「BARNES & NOBLE / バーンズ・アンド・ノーブル」の復活劇から学んだこと―後編―
公式HPより
前回、アメリカ最大のメガ書店チェーンバーンズ・アンド・ノーブル(以下、B&N)の業績回復について書いた。
英国の書店チェーンのCEOだったジェームズ・ドーント氏を招聘したことも要因の1つだが他にもある。
コロナ禍でステイホームをしていたアメリカの子どもたちに、マンガ(アメコミではない日本のマンガ)が大量に売れたことも大きかった。
動画配信サービスでアニメの配信数が増え、子どもたちは『鬼滅の刃』『進撃の巨人』『僕のヒーローアカデミア』といったマンガの存在に気がついた。そしてロックダウンが明けると、すぐにB&Nへマンガコミックを買いに走ったというのだ。
さらに独自のサブスクリプションサービスも開始し、会員数も順調に伸びているという。
その1つがオーディオブックのサブスクリプションサービスで、月額$14.99で20万冊以上のオーディオブックから毎月1冊を選択して利用できる(B&NはNookという電子書籍アプリを持っている)。
また年間費$39.99を支払ってプレミアム会員になると、オンラインと店舗での購入に対して10%割引、送料無料、年間1回の無料トートバッグプレゼント、そして独占オファーやイベントの早期アクセス権などの特典を受けられる。
B&Nは原点に返りつつ様々な工夫を凝らし、再び書店文化の「英雄」の座を取り戻しつつある。日本の出版・書店業界にも、彼らから学ぶ点が大いにあるだろう。
プロフィール
ある編集者
大学卒業後、大手出版社に勤務。
子供の頃から漫画が大好きだったが、いざ大人になると小説の編集にかかわり、多くの作品を世に送り出すことに。
ここでは思ったことを率直につぶやいてみたい。
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