健康

2026/09/08

【いのちの舞台袖】Vol.2 顔・腕・言葉、「脳梗塞」の合図とは?

ミュージカルの舞台袖では、出演者が出番の合図を待っています。合図が出たら、ためらわず舞台へ。脳の病気にも、見逃してはいけない「合図」があります。
 
先日、お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんの病状が報じられました。体調不良を訴え、病院で検査したところ、脳梗塞と診断されたのです。
 
脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血流が途絶える病気です。かつては、発症してから症状を元に戻す治療は限られていました。
今では、発症からの時間、血管が詰まった場所、検査結果、もともとの病気など、一定の条件が合えば、薬で血栓を溶かしたり、カテーテルで血栓を取り除いたりする治療ができます。
後遺症を残さず回復できる可能性もありますが、誰にでも行える万能な治療ではありません。治療は早いほど効果が期待できます。
 
そこで覚えてほしいのが「FAST」です。
 
FはFace:笑ったときに片方の口元が下がる。

AはArm:両腕を前に上げると、片方が下がってくる。

SはSpeech:ろれつが回らない、言葉が出ない、話がかみ合わない。
 
F・A・Sのどれか一つでも突然現れたら、最後のT、Timeを意識してください。
症状が始まった時刻を確認し、様子を見ずに、すぐに救急受診しましょう。
 
始まった時刻が分からなければ、最後に普段どおりだった時刻を伝えてください。受診方法に迷う場合や、安全に移動できない場合には119番を利用してください。



脳卒中には脳梗塞のほか、脳出血やくも膜下出血も含まれ、見た目だけでは区別できません。
症状がいったん消えても安心は禁物です。顔・腕・言葉の突然の異変は、いのちの舞台袖から届く緊急の合図。見逃さず、早めの行動につなげてください。
 
脳卒中の症状や受診の目安について、詳しくは厚生労働省「脳卒中ってなぁに?」をご覧ください。

坂本壮 医療コラム 脳梗塞 サンド伊達 脳卒中
画像はイメージです。
 

執筆者プロフィール

坂本壮

総合病院国保旭中央病院 救急救命科医長/ 臨床研修センター副センター長。
救急医として主に救急外来で働いているミュージカル好きのアラフィフ医です。もっとも影響を受けた作品は『レ・ミゼラブル』で、好きな漫画は『宇宙兄弟』。
著書は『救急外来ただいま診断中!』(中外医学社)ほか多数。医師や看護師、救急隊向けにも本や雑誌で執筆・編集しています。

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