健康

2026/09/22

【いのちの舞台袖】Vol.4 「運動不足」と思われがちなその息切れ、肺のせいでしょうか?

舞台では、登場人物が息を切らして駆け込んでくるだけで、急いできたことや長い道のりが伝わります。
けれども私たちが、観劇後に駅まで歩いただけで息苦しくなったら、「運動不足かな」で済ませてよいとは限りません。

坂本壮 医療コラム いのちの舞台袖 息切れ

息切れというと、まず肺の病気を思い浮かべるかもしれません。
肺炎や喘息などはもちろんですが、心臓が十分に血液を送り出せない心不全や、酸素を運ぶ赤血球が少なくなる貧血でも、動いたときに息苦しくなります。不安やパニックによって呼吸が速くなることもあります。



原因を考える手がかりは、「いつ、どんな姿勢で、何と一緒に起こるか」です。
 
横になると苦しく、起き上がると楽になるのは、心不全でみられることがあります。
発熱や咳、痰は肺炎、動いたときの動悸や疲れやすさ、顔色の悪さは貧血を考える手がかりです。
まれですが、飲み込みにくさや全身の筋力低下を伴う場合には、神経や筋肉の病気が関係していることもあります。
 
息苦しさが突然始まったときや、胸の痛み、冷や汗を伴うとき、苦しくてうまく話せないときには注意が必要です。気が遠くなる、実際に気を失うといった場合も、早めに医療機関へ相談したほうがよいサインです。
 
舞台の息切れは物語の手がかりですが、私たちの息切れもまた、身体の状態を教えてくれる大切なサインなのです。
 

執筆者プロフィール

坂本壮

総合病院国保旭中央病院 救急救命科医長/ 臨床研修センター副センター長。
救急医として主に救急外来で働いているミュージカル好きのアラフィフ医です。もっとも影響を受けた作品は『レ・ミゼラブル』で、好きな漫画は『宇宙兄弟』。
著書は『救急外来ただいま診断中!』(中外医学社)ほか多数。医師や看護師、救急隊向けにも本や雑誌で執筆・編集しています。

画面上部に戻る