健康

2026/09/15

【いのちの舞台袖】Vol.3 過去には芸能人も緊急搬送…突然、頭が割れるように痛くなったら

坂本壮 医療コラム いのちの舞台袖 くも膜下出血

舞台で、登場人物が小道具のバットで殴られる場面を想像してみてください。
俳優の大きな動きに鋭い効果音が重なれば、その衝撃は一瞬で客席に伝わります。
 
くも膜下出血の頭痛は、よく「バットで殴られたような痛み」と表現されます。とはいえ、実際にバットで殴られた経験のある人は、まず少ないでしょう。そのため、「とにかく激しく痛む頭痛」というイメージを持たれがちです。



もちろん、痛みの強さも重要です。しかし、もう1つ注目したいのが、その始まり方です。
くも膜下出血の頭痛には…
 
・痛みがかなり強い

・それが突然起こる

・短時間で痛みがピークに達する
 
という特徴があります。
 
さっきまで普段どおりだったのに、突然痛みが始まり、数秒から数分のうちに一気に強くなる。
一般の方は「10分もしないうちに痛みがピークに達するような頭痛」と覚えておくとよいでしょう。
 
このような頭痛は「雷鳴頭痛」と呼ばれます。雷が落ちたように突然始まり、急速に痛みが頂点に達する頭痛です。
つまり、覚えておきたいのは「強い、突然、すぐピーク」の3つです。
 
このような頭痛が起きたら、くも膜下出血の可能性があります。「10分を少し超えたから安全」という意味ではありません。
過去にはglobeのボーカル・KEIKOさんや爆笑問題の田中裕二さんも頭痛を訴えて緊急搬送され、くも膜下出血と診断されています。自宅で様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。
 
舞台の「ドーン」は演出ですが、身体から突然鳴らされる「雷鳴」は見過ごしてはいけない大切なサインなのです。
 

執筆者プロフィール

坂本壮

総合病院国保旭中央病院 救急救命科医長/ 臨床研修センター副センター長。
救急医として主に救急外来で働いているミュージカル好きのアラフィフ医です。もっとも影響を受けた作品は『レ・ミゼラブル』で、好きな漫画は『宇宙兄弟』。
著書は『救急外来ただいま診断中!』(中外医学社)ほか多数。医師や看護師、救急隊向けにも本や雑誌で執筆・編集しています。

画面上部に戻る