観劇

2025/11/26

【今日も感劇日和】大興奮! 2025年版『エリザベート』はやっぱりすごかった~!

2025 ミュージカル エリザベート RYU

公式HP
 
久しぶりに観た日本版『エリザベート』。
実は、成河さんがルキーニを演じていた頃のエリザがべらぼうに面白くて、その後急速に興味が失せたのだった。
 
今回、韓国の映画版『エリザベート』を3回見てからの日本版だったから「あっ、ここはトートがエリザを抱き抱えないのか」とか、「そうだ、橋は下りてこないんだ!」となって、最初はちょっと戸惑ったりして(笑)。
 
11月中旬に1週間の間を空けて2回観た。(ゾフィー以外のキャストはコンプリートできた!)

エリザベート RYU 井上芳雄 望海風斗

1番の驚きは芳雄トート!
とにかく声が大きく変化していて、低くて、太くて、深くて、地を這うような威圧感も醸し出し、「帝王感増し増し!」で、「めっちゃダーク」なトートになっていた。
表情もずっと冷たいのだけれど、それだけエリザベートを心の底から欲していたと思えた。
韓国でずっと声楽のレッスンを受けていた芳雄さん。
その成果を、ズシンと受け取らせていただいた(拍手)。



そして今回、久しぶりに日本版『エリザベート』を観ようと思ったのは、新しい2人のシシィにお目にかかりたかったから。
望海風斗さんと明日海りおさんによるシシィ。
まったく違う魅力を持つシシィ(エリザベート)だった。
 
望海シシィ。
歌も演技も他に足がついていて、結果、シシィにものすごく人間味を感じたし、物語に没入できた。
 
特に、フランツに最後通告を突きつける、精神病院の訪問、幻影となったお父さんと対話、これらのシーンは、今までのエリザと同じ歌、同じ台詞でありながら、感じたことがない思いを受け取ることができた。
望海さんの優れた表現力の為せる技だったのだと思う。
王妃としての役割を受け入れながら、現実とのギャップに苦しむシシィだった。

 
エリザベート RYU 明日海りお 古川雄大

明日海シシィ。
少女時代のシシィ、もうキラッキラしていて、声も表情も(自分が観た中で)過去最高に愛くるしくて、目が釘付けになった。
「あの頃が1番自由で幸せだった!」という説得力がすごくて「そりゃぁ、ずっと自由を求めるよね」と納得。
年を重ねて心に鎧を身につけていきつつも、その中に常に少女時代の姿が見え隠れする、そんなシシィだった。
 
明日海さんの目指すシシィ像が、明確に伝わってきたなぁ。
歌声もとても安定していて、「ちょっとだけ心配していてごめんなさい」だった。
 
「王妃としての苦悩」を背負って生きる望海シシィと、「シシィとしての苦しみ」に悩み続ける明日海シシィ、どちらも正解で、本当に素晴らしかった!!
また2人のシシィにお会いしたい。
 

 
古川トートも芳雄トートと正反対!
エリザベートへの愛情がダダ洩れで、指先まで色気が漂っていたなぁ。
人間味があって、「黄泉の帝王」だけど男でもあって・・・みたいな(笑)。
初トートのころとは比べ物にならないほど、表現力も存在感も増していた!
 
他のキャストも実力者ぞろいで書きたいことが山盛りだけど、いつまでも終わらないのでここまでに。

エリザベート RYU シアターオーブ 井上芳雄 古川雄大

まったく穴のない、いやヒビ割れすらないキャストで演じられた2025年版『エリザベート』。
進化を遂げたなぁ、と感慨深かった。
 
重厚なセットや繊細な照明が作り出す舞台上に、エリザ史上最高ではないかと思えるレベルの高いパフォーマンスが溶け込んで、大・大・大満足の『エリザベート』となった(拍手)。
 
公式HP

執筆者プロフィール

RYU

なんの肩書きもない観劇オタク。
2010年のクリスマスに韓国・ソウルで出会ったチョ・スンウによる『ジキル&ハイド』に衝撃を受けて以来、韓国ミュージカルの沼にハマる。
2011年以降、日本と韓国での劇場通いが始まり、ブログ(現在休眠中)やインスタに観劇記録をUPしている。
好きな俳優はチョ・スンウ、ホン・グァンホ、マイケル・K・リー、ヤン・ジュンモ、パク・ウンテ、中川晃教、成河など、数えきれない。

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