2025/08/31
《藤田久美子の旅エッセー》トルコでワインが高い理由<その1> イスタンブールのバーのワインが高くてびっくりした話
青のモスクと呼ばれるスルタンアフメト・モスク。イスタンブールの世界遺産群のひとつ。
前回まで、アメリカ・カリフォルニアのワイナリーを紹介してきたが、一方、イスラム教でいちばん罪深い酒は、どうやらワインのようだ。それは、以下のような経緯で判明したのだった。
イスタンブール1泊めの晩、本場のケバブを食べてみたかったので、宿泊したホテルのフロントで「おすすめのローカルフードのレストランを教えてほしい」と頼んだ。教えてもらったレストランは、わかりづらい場所にあって、ホテルから歩いて20分くらいかかった。
安くて美味しい、地元の人たちに人気のレストラン。とても賑わっていた。
そこは、ロカンタと呼ばれる大衆食堂で、「現地の人(ローカル)」が「ローカルフード」を外食するところだった。
社食やフードコートの中華にあるような、透明な窓の向こうの大きな金属製の四角い容器に入った料理の中から好みのものを取ってもらうシステムで、思っていたレストランと全然違う…。ケバブもない。せっかく来たし、面白そうだからとそこで食べることにした。
英語は通じないので、指差しで食べたいものをリクエスト。
いちばんの問題は、飲み物だった。ビールでぷはーっと乾杯したかったのに、アルコールが一切ない。水と謎のビタミンドリンクしか置いていない。
そうか、ここはイスラム教徒の人々が食べる場所なのだ。サラダ、ヨーグルトがかかった水餃子のようなもの、羊肉のグリルのスライス、チキンのスパイス煮込みなどを美味しく食した後、飲みなおすためのお店を探した。
ロカンタの料理。これ全部で600円ほど。ふたりで満腹。
ホテルに帰る道すがら、飲んでいる人がいるかどうか、たくさん食べなくても大丈夫そうかを確認しつつ、いい感じのバーのテラスに座った。
観光客しか歩いていない、ちょっとおしゃれな通りのバーに入ってみた。
ビールが、さっき食べたふたり分の料理よりも高い。グラスワインがその3倍~5倍の値段だ。観光客しか入らないお店とはいえ、ここまで? それにしても、ワイン、高すぎない?
<続く>
藤田久美子
ライター・エディター・トランスレーター。トレンド誌、ビジネス誌の執筆、編集のほか、IT系を中心に翻訳者として活動。著書に「大事なことはみんなリクルートから教わった」(共著・ソフトバンク文庫)、「松本隆のことばの力」(集英社インターナショナル新書)など。
執筆者プロフィール
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