2024/04/29
【今日も感劇日和】心射抜かれた韓国創作ミュージカル『일 테노레 イル・テノーレ』
以前ここでご紹介した、韓国創作ミュージカル『일 테노레 イル・テノーレ』
韓国創作ミュージカル『일 테노레 イル・テノーレ』について「また改めて書きたい」と言っておきながら、そのままになっていた。
昨年末、ソウルの「芸術の殿堂 トウォル劇場」で開幕し、3月末からは「ブルースクウェア」に劇場を移して上演されているこの作品も、いよいよ5月19日(日)に千秋楽。
その前にぜひ、その魅力をお伝えしたい!!
韓国は劇場内が作品愛に溢れてる。
魅力その1 『音楽』
韓国で数々の人気創作ミュージカルを生み出したパク・チョニュ(作・作詞)とウィル・アロソン(作曲)のコンビが生み出した楽曲は、耳に残るメロディ満載で、無駄だと思える曲が1つもない!
オペラを題材にした作品なので、俳優の歌唱力を前面に押し出した、スケールの大きな曲はもちろん聴きごたえありありだ。
ハーモニーの美しさを重視した叙情的なメロディの曲も多く、そのバリエーションの豊かさに驚かされる。
本当に心惹かれる曲ばかりなのだ♪
魅力その2 『ストーリー』
韓国初のオペラ歌手イ・インソンをモチーフにはしているが、完全なるオリジナルミュージカル。
1930年代後半のいわゆる「日帝時代」に、支配から解放された世界を夢見る若者たちの物語。
抑圧されていた時代であっても、そこには「青春」があり、未来を切り開いていこうとするエネルギーに胸がときめく。
コミカルな演技に顔がほころんでしまうシーンも多い。
日本人にとっては辛くなる部分もあるが、ストーリーの巧みさにぐいぐい引き込まれ、ラストは涙が止まらなくなるのだった。
魅力その3 『キャスト』
もうねぇ、上手い人しかいない!
まぁ、韓国ミュージカルでは当たり前のことだけれど、主演・助演・(主要キャストに劣らない歌声の持ち主が集結している)アンサンブルの方々に至るまで、その歌声の確かさには唸るしかない。
主役のユン・イソンを演じるホン・グァンホ(歌声に泣く!)
パク・ウンテ(煌めきにときめく!)
ソ・ギョンス(等身大の若々しさ!)
三者三様で3人とも魅力的。
キャスト変わりで観ることをオススメしたいけれど、1度だけなら、やっぱりその「声に泣く」グァンホイソンを私はオススメしたい。
左上からイサン役:ホン・グァンホ、パク・ウンテ、ソ・ギョンス
左下からジニョン役:キム・ジヒョン、パク・ジヨン、ホン・ジヒ
構想から10年以上の歳月を費やし、2018年にはリーディング公演も行われ、満を持しての上演された創作ミュージカル。
その完成度の高さに、ただただ唸ってしまうのだった。
ただ問題点が1つだけ。
それは・・・「言葉の壁」。
ライセンス作品であれば、日本での上演があったり映画作品になっているものもあったりするが、初演の韓国創作ミュージカルとなると、なかなか厳しいところがある。
で、そんな方々のためには、手前味噌になってしまうけれど、私が休眠中のブログにUPした「イルテノーレ 鑑賞ポイント」が、お役に立つかもしれない。
ご興味のある方はどうぞご覧ください!
4月に観たキャスト
『イルテノーレ』は5月19日(日)までに渡韓する予定があり、「ミュージカルでも観てみようかな?」という方には(次回紹介しようと思っている『ディア・エヴァン・ハンセン』と共に)強くオススメしたい作品!!
執筆者プロフィール
RYU
なんの肩書きもない観劇オタク。
2010年のクリスマスに韓国・ソウルで出会ったチョ・スンウによる『ジキル&ハイド』に衝撃を受けて以来、韓国ミュージカルの沼にハマる。
2011年以降、日本と韓国での劇場通いが始まり、ブログ(現在休眠中)やインスタに観劇記録をUPしている。
好きな俳優はチョ・スンウ、ホン・グァンホ、マイケル・K・リー、ヤン・ジュンモ、パク・ウンテ、中川晃教、成河など、数えきれない。
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