コラム

2024/07/06

ネコろんで読む英語コラム (14)King KongはキングコングなのにHong Kongはホングコングと呼ばない不思議

かつて一世風靡したお笑いネタに「なんでだろう」というのがあった。
赤と青のジャージを着た二人組が、片や目をむきながら狂ったように踊りまくり、片やギターをかき鳴らしながら「なんでだろーお なんでだろー ななななんでだろー」と高らかに歌い上げる。
 
誰しもが一度は「なんでだろう」と不思議に思ったことがあるような身近なネタを取り上げた、大爆笑とはいかなくてもどこかクスっと来る素朴な笑いだった。
先日たまたまYouTubeを見ていたら彼らの動画が上がってきて、懐かしさと共に「そういえば私もずっとなんでだろうと疑問に思い続けていることがあるなぁ」と思ったのである。
 
それは、日本語のカタカナ表記の非統一性。
たとえば、『KING KONG』という映画があるが、これの邦題は『キングコング』で、なるほどNGをングと表記したのだなと納得できる。
 
ところが、香港(Hong Kong)のカタカナ表記はホンコンなのである。おかしいではないか。NGをングと表記するのであればホングコングでないと道理が通らない。どうしてこんなことがまかり通るのか。
 
ネコろんで読む英語コラム 明場由美子 レオ 英語コラム 香港 キングコング
 
実はカタカナ語にはこういうのはいっぱいある。



元は同じ単語なのに日本語(カタカナ)表記が複数あるものだってある。たとえばストライクとストライキ。どちらもstrikeのカタカナ表記だが、前者は殴るとか叩くという意味の動詞で後者は労働者が団結して行う労働争議を指す。
 
ラベルとレーベル、スティックとステッキなんかも同じ単語。ラベルと言われるとシールで貼られた紙を想像するのに対し、レーベルと言われると音楽やファッションなどの部門を想像する。
どちらもlabelで発音はレイボウが近い。スティックもステッキも棒状のものを指す言葉だけど、ステッキは杖以外のものを指すことはない。
 
カタカナ語ってなぜ読み方(書き方)が複数あるのか。どうして統一しなかったのか。
昔の日本人は誰もおかしいと思わなかったのか。
 
それが不思議で不思議でしかたがないと友人に言うと、そんなこと一々考えるのあんただけだよと冷たくあしらわれた。
 
しょうがないので歌う。なんでだろーお、なんでだろー、ななななんでだろー。

執筆者プロフィール

Yumi

English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。

画面上部に戻る