写真・アート

2024/07/23

【ジェリー・ヤンの世界撮りっぷ】リゾート地のサントロペやモンテカルロより心地よい場所

過大評価のサン・トロペモンテカルロと比べて、マントンは常に心地良い訪問先だ。

 
フランスとイタリアの国境近くに位置するマントンは、実際にはモンテカルロやニースからそれほど遠くない。
ジェリー・ヤン 世界撮りっぷ フランス マントン モンテカルロ サントロペ コート・ダジュール
©Jerry Yang

 
フランス南部のリゾート地“コート・ダジュール”の他の街と比べると、マントンはフランスよりもイタリアの街のように感じる。
 
これは当然のことかもしれない。コート・ダジュール全体が昔1860年にイタリア王国を創設した最古の王家“サヴォイア家”の支配下にあったからだ。

 
ジェリー・ヤン 世界撮りっぷ フランス マントン モンテカルロ サントロペ コート・ダジュール
©Jerry Yang

 
もっとも有名な地元産品はレモンだとされている。旧市街の通りにはレモンの木が飾られている。



街中ではフランス語とイタリア語の両方が交わされているが、違和感はまったくない。
ローマ帝国の遠い従兄弟であるこの2つの国は、何世紀にもわたって多くの戦争(実際の戦争や文化的な戦い)をもやってきた。ここマントンは、非常に自然な休戦の街に感じられる。

 
マントンの港からはイタリアの海岸線が見える。
ジェリー・ヤン 世界撮りっぷ フランス マントン モンテカルロ サントロペ コート・ダジュール
©Jerry Yang

 
夜になるとヴェンティミーリアの街のライティングがマントンからはっきりと見える。
 
その海岸部分はイタリア語でリビエラと呼ばれている。アメリカ人はフランス側を「フレンチ・リビエラ」と呼び、「コート・ダジュール」と発音しようとする努力を省いている。

 
ジェリー・ヤン 世界撮りっぷ フランス マントン モンテカルロ サントロペ コート・ダジュール
©Jerry Yang

 
コート・ダジュール全体で無料の公共ビーチがあっちこっちあるが、マントンのビーチはほぼすべてが公共で無料だ。
ここでは、高級ビーチクラブでカクテルを飲むアラブ系やロシアの裕福な家族を見ることはない。代わりに自前のパラソルを立て、安価なオレンジ色のドッジボールを投げ合う家族の姿が見られる。
 
ここでは何も過大評価されていないが、過小評価してもいけない。

 
ジェリー・ヤン 世界撮りっぷ フランス マントン モンテカルロ サントロペ コート・ダジュール
©Jerry Yang

プロフィール

Jerry Yang(ジェリー・ヤン)

フランス・パリを拠点とするベンチャーキャピタル投資会社「HCVC」のゼネラル・パートナー。
台湾の高雄で生まれ育ち、起業家として台湾からシリコンバレーへ。渡仏した後、ベンチャー投資を行う。
趣味で世界各地を旅行し、撮影した写真が「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたこともある。

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