2024/09/27
【毎日がエンタメ】コラム #5 人気シリーズ『犯罪都市』はいつまで笑わせられるか?
エミー賞18冠の『SHOGUN 将軍』を配信しているDisney+だが、昨年はドラマ『ムービング』も韓国で大きな話題となった。
『ムービング』は作品としての面白さもさることながら、主演俳優チョ・インソンの再ブレイクも注目された。
私も『ムービング』を楽しんだが、脚本家の友だちから「ディズニープラスなら韓国ドラマ『カジノ』を観たほうがいい」とオススメされた。「とにかく面白い!」と。
友だちは『カジノ』の視聴を終え、なんの未練もなくDisney+を解約したそうだ。
正直「えぇーっ!」とゲンナリした。
『カジノ』は韓国映画界で活躍するチェ・ミンシクのドラマ復帰作。26年ぶりというから四半世紀を超えている。視聴者にしてみたら“復帰”というより、もはや“初”に近いのではないか。
舞台はフィリピンのカジノで、実在する人物をモデルとした“カジノ王”の物語。思いきりノワールで、チョ・インソンを観たあとに「いぶし銀のチェ・ミンシクか」と思うと、積極的に観ようという気にはなれなかった。
実際、主人公の生い立ちを描いた序盤はさほどハマれず、「これを2ndシーズンまで観るのか」と思ったら気が滅入った。「途中でやめちゃおうかな」とも思った。(←韓国ドラマある、ある)
ところが予想に反して『カジノ』はどんどん面白くなり、1stシーズンの後半からは止まらくなった。それもそのはず。登場するのは一筋縄じゃいかないキャラクターばかり。予想もしないことが起こるのだ。
2ndシーズンの最終話はラストシーンで思わず声を上げてしまったほど。そのハマり具合は『ムービング』や『SHOGUN 将軍』どころではなかった。
ドラマ『カジノ』と同じく、フィリピンを舞台にしているのがマ・ドンソク主演の映画『犯罪都市4』だ。
“マブリー”の愛称で親しまれているマ・ドンソクが拳ひとつで凶悪事件を解決するクライムアクション。4作目となる本作の邦題は『犯罪都市 PUNISHMENT』で、暗躍するオンラインカジノ組織と対決する。
『犯罪都市 PUNISHMENT』
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公式HP
本作も韓国では観客動員数1100万人を超える大ヒット作となったが、観客の反応は様々だ。
「面白かった」という声がある一方で、「完成度が落ちた」という声も。
また、上映スクリーンのシェアが80%を超えており、このスクリーン寡占も批判されている。観客の選択肢が減るからだ。
人気シリーズも4作目となると、そろそろ“飽き”も出てくる。
その飽きを解消するためか、前々作からのチャン・イス(パク・ジファン)が再登場。
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なんだろ。存在自体が面白く、顔だけで笑わせるパワーは本物だと思う。
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ドラマ『カジノ』は観れば観るほど面白い展開となった。
8作目までの製作が決まっている映画『犯罪都市』も最後まで飽きさせることなく完走できるのだろうか。
にしても、『カジノ』といい、『犯罪都市』といい、やたら事件が起こる近場の海外といえばフィリピン。(←コナンが住む米花町みたいw)
良くも悪くも、韓国エンタメにおいてのフィリピンの印象が固まりつつある。
執筆者プロフィール
児玉愛子(らぶこ)
韓国コラムニスト。韓流エンタメ誌、単行本、ガイドブック等の企画から取材、執筆を行う。
メディアで韓国映画を紹介するほか、日韓関係やエンタメコラムを寄稿する韓国ウオッチャー。
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