2025/06/05
【毎日がエンタメ】コラム#13 オーストリア映画『我来たり、我見たり、我勝利せり』
公開日:2025年6月6日(金)
我来たり、我見たり、我勝利せり
億万長者に上り詰めた実業家アモン・マイナート(ローレンス・ルップ)は大豪邸に愛する家族と暮らし、幸せに暮らしている。
早逝した亡妻との間に生まれた娘パウラ(オリヴィア・ゴシュラー)は13歳の美しい娘へと成長。
父の再婚相手ヴィクトリア(ウルシーナ・ラルディ)とも仲が良く、養女のベラ(キラ・クラウス)やココ(タマキ・ウチダ)を家族の一員に迎え、家の中はいつも賑やかだ。
それなのに…、アモンの趣味といえば大自然の中での狩り。
しかも、狩る相手は人間だ。
新聞記者のカロッタから追求されても、アモンは動じない。
「狙撃犯は僕だ、皆が知っている」
カロッタはアモンに人間狩りをやめさせようとするが…。
さらなる衝撃の事件が待ち受けているのだった──。
*****
オーストリア映画はこんなにもぶっ飛んだ映画が多いのか、たまたま本作がぶっ飛びすぎているのか。
私には分からないが、あまりにもクレイジーで「一体、いつの時代の話だよ!」「ここは無法地帯かよ」と思わなくもなかった。
だが、プレスを読んでみると、米国のトランプ大統領もかつて集会で「私が5番街の大通りの真ん中でだれかを撃ったとしても、票を失うことはないだろう」と述べていたことが記載されている。
それだけ忠実な支持者がいると強調したかったようだが、こうした考えこそ“資本主義の歪み”というものなのか。
物語は「我来たり」「我見たり」「我勝利せり」の3章になっていて、最初から最後までパウルのナレーションで進む。
最初の「我来たり」はアモン中心だが、「我見たり」「我勝利せり」は娘のパウラが存在感を増していく。
中途半端に性格が悪いと嫌われて終わりだけど、あそこまでおかしくなると相手に恐怖を抱かせるから不思議だ。
問題はアモンにとどまらず、彼の行為を見て見ぬフリするクソ大臣もいること。
けど、ここ日本にも都合の悪いことを見て見ぬする政治家は存在するし、今の米不足もその結果なんだと思う。
日本にはアモンのような人は存在しなくとも、政治家のクズっぷりは目クソ鼻クソかもしれない。
執筆者プロフィール
児玉愛子(らぶこ)
韓国コラムニスト。韓流エンタメ誌、単行本、ガイドブック等の企画から取材、執筆を行う。
メディアで韓国映画を紹介するほか、日韓関係やエンタメコラムを寄稿する韓国ウオッチャー。
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