2025/11/21
【毎日がエンタメ】コラム #22 スターはつらいよ! 行きすぎた推し活と過酷なファンサービス
韓国の人気グループ「BTS」の推し活をしていた50代の日本人女性が強制わいせつの罪で在宅起訴された。
事件が起きたのは2024年6月。BTSメンバーのJINとファンがハグするイベントで、女性が無理やりJINにキスしたのだ。
せっかくのファンサービスでこんな目に遭うとは。
JINにとっては悪夢以外の何ものでもなかっただろうが、かねてからこうしたイベント取材では「芸能人って本当に大変だな」と思うことがあった。
過去には、ファンミーティング最後の握手会で手を痛めた韓流スターもいる。
同じ握手でもソフトタッチのファンがいれば、力強く握ってなかなか手を離さないファンもいる。2千人規模のファンミだったが、色白の彼の手は握手会の終盤になると赤く腫れ、司会者が心配するほどだった。
また、別の韓流スターはイベント終了前に腰痛を訴えた。
ファンミの最後は握手会のはずだったが、途中からファンがハグしてしまい、「握手会→ハグ会」のようになってしまったのだ。
ファンと密着しないよう、あえてテーブルを挟んでいたのに、長身の韓流スターは自分より低身長のファンたちとテーブル越しでハグする格好となった。この流れをスタッフが止められず、無理な姿勢でファンとハグする韓流スターの腰が悲鳴を上げたのだ。
結局、腰痛を訴えた韓流スターには椅子が用意され、彼は椅子に座った状態で残りのファンと握手してイベントを終えた。見ていて気の毒としか思えなかった。
こうした状況を知ってか、ファンサを拒否して主催者を困らせた韓流スターも…。
韓流スターのP(といっても、多くの日本人が彼のことを知らない)は、ファンミでの握手もハグも拒否。主催者が説得するも、彼は「ファンと密着したくない」といって応じることはなかった。
その後、主催者に聞いた話によると、韓流スターPとファン数十人ごとの記念撮影で落ち着いたという。
一方、ファンサを嫌がらない韓流スターもいる。クォン・サンウだ。
韓流ブーム初期の頃から韓国で絶大な人気を誇っていたクォン・サンウだが、2008年に女優ソン・テヨンと結婚。当時、ソン・テヨンの好感度が低かったこともあり、人気絶頂期での結婚は“祝福”より“批判”の声が多く、ファンクラブ会員が激減するという事態に陥った。
失意のクォン・サンウを癒やしたのが日本ファンの激励の声だった。

結婚直後の2008年10月に来日したクォン・サンウ
背を向ける韓国のファンが多い中、日本のファンは優しかった。その恩を忘れることなく、クォン・サンウは日本のファンとのコミュニケーションを大切にしてきたのだ。
イベント終了時のお見送りでもクォン・サンウはファン1人1人をしっかりとハグ。スーツの胸元はファンたちのファンデーションで真っ白になっていた。
執筆者プロフィール
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児玉愛子(らぶこ)
韓国コラムニスト。韓流エンタメ誌、単行本、ガイドブック等の企画から取材、執筆を行う。
メディアで韓国映画を紹介するほか、日韓関係やエンタメコラムを寄稿する韓国ウオッチャー。
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