2024/05/17
【今日も感劇日和】ブラボー、アンジェラ・アキ!! ミュージカル『この世界の片隅に』
こうの史代さん原作の人気漫画『この世界の片隅に』がミュージカルになった!!
映画版が大好きで、映画館で2回観ている。
初めて観たとき、帰りの電車のホームでも涙が止まらなかったことを今でもよく覚えている。
そんな作品がミュージカル化されると知り、驚き!
実力派キャストの集結に、驚き!
日生劇場で上演されることに、驚き!
作曲がアンジェラ・アキであることに、驚き!
「これは、初日に行かなくちゃ!」となった(笑)。
では、感想を簡単に。
アンジェラ・アキさんの音楽が、とにかく最高だった。
メロディが優しさに溢れていて、この作品の主題と重なり、それぞれの曲が全て1つの線上にあるように感じられた。
そして「これぞ、日本人によるオリジナルミュージカル!」と思ったのは、歌詞がメロディにピタリとハマっていたこと。
こんなに歌詞に聞き入ったことないかも?と思うくらい集中できたし、言葉が真っすぐに伝わってきた。
初日に、アンジェラ・アキさんのご挨拶があったのだけれど、この作品の曲作りに3年半を費やしたそうだ。
3年半、毎日のように演出の上田一豪さんと話し合いを重ねてきたと言っていた。
だからこその完成度なのだろうな。
ミュージカル界での彼女の今後の活躍が楽しみでたまらない。
昆夏美さん演じる「すず」が素晴らしすぎた!!
もうねぇ、すずさんそのもの。
ほぼ出ずっぱりだけれど、繊細な歌声と演技、すずの人間性に、何度も顔がほころんだし、涙腺を鷲掴みにされた。
初日の時点で「すでに完璧!」と思えたほど。
海宝直人さんの周作も、まったく違和感なし。
髪の毛を短くし、体を絞り、キリッとした「昭和の男」だった。こんな海宝くん初めて!と思える海宝くんに出会えた感じ(笑)。
すずさんと周作として並ぶ2人の姿は、作品の中に溶け込んでいたなぁ。
素晴らしいキャストは、まだまだ。
周作の姉、径子を演じた音月桂さんがこれまたすっごく素敵で、演技や歌声に釘付けになった。
ある曲では涙腺崩壊。素晴らしい女優さんになられたなぁ。
そして、リンを演じた平野綾さん。
これまた「リン」のイメージにドンピシャ!
映画から飛び出してきたみたいだった。
開演前、「日生のステージにこんなに奥行きがあったのか!」と、そのだだっ広さに驚いた。
この日は2階席だったが、照明は綺麗だし、立体感のある舞台構造で、2階席は超オススメ。
ここからはちょっと注意事項。
このお話、特に前半は様々なエピソードの積み重ねが目まぐるしく、しかも年月を行ったり来たりするので、予備知識がないと「?」となり、戸惑うと思われる。
映画版を見ておいたり、原作を読んだり、少なくともあらすじにはしっかり目を通したほうがいいかもしれない。
ということで、終演後に思ったことを一気に書いてみた。
ストーリー的に辛いと感じる方もいらっしゃるかもしれないが、決して悲しいだけの話ではない。
むしろミューファンなら、この音楽やキャストの歌やお芝居に触れないのはもったいないかな・・・なんて思ってる。
執筆者プロフィール
RYU
なんの肩書きもない観劇オタク。
2010年のクリスマスに韓国・ソウルで出会ったチョ・スンウによる『ジキル&ハイド』に衝撃を受けて以来、韓国ミュージカルの沼にハマる。
2011年以降、日本と韓国での劇場通いが始まり、ブログ(現在休眠中)やインスタに観劇記録をUPしている。
好きな俳優はチョ・スンウ、ホン・グァンホ、マイケル・K・リー、ヤン・ジュンモ、パク・ウンテ、中川晃教、成河など、数えきれない。
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