2024/02/21
【今日も感劇日和】新しい風が吹く!ミュージカル「この世界の片隅に」
前回は、2024年上半期、韓国で上演される注目ミュージカルについて書いたけれど、今回は日本で注目している作品について。それは、
『この世界の片隅に』
公式HP
こうの史代さんの人気漫画作品が、ミュージカルになるのだ。
この一報を聞いたときには、驚きで飛び上がった!!
過去に2回ドラマ化され、映画化もされているが、まさかミュージカルになるとは。
私が初めてこの作品に触れたのは、映画版。
「すず」の目を通して描かれる広島での出来事に深く胸を打たれ、映画館ではもちろんのこと、帰りの駅のホームでも涙が止まらなかったことを、今もよく覚えている。
リピもして、全部で3回も観たという、忘れられない映画となった。
その作品が、ミュージカル界の実力者が揃った「オリジナルミュージカル」となって、あの日生劇場で上演される!
これはもう、私にとってはビッグニュースなのだ。
写真上左から すず役:昆夏美、大原櫻子
写真下左から 周作役:海宝直人、村井良大
しかし、発表を聞いて不安がなかったわけではない。
あの世界観をミュージカルで表現できるのか?
一体、誰が作曲を手がけるのか?
「オリジナルミューカル」と聞いて、私が1番気になるのは、音楽。
この作品の上演が発表された時、まだ作曲家名が公表されていなかったので「一体誰が?」と、期待と不安が入り混じった気持ちになった。
最近、あるオリジナルミュージカルを観た後、ミュー友さんと「やっぱり、曲、大事だよねぇ・・・・」と、軽く愚痴り合った。
最近、日本でも大劇場で「オリジナルミュージカル」が上演されることが増えて来たが、外国の作曲家頼みになっている面があるのは否めない。(大劇場では特に。)
そんな日本のミュージカル界に、この人が登場した!
それは、アンジェラ・アキさん。
2014年に、ミュージカル音楽を学ぶために渡米し、作曲を一から学びなおしたというアンジェラさん。ネットで彼女のコメントに遭遇して、胸が熱くなった。
アンジェラさんはミュージカルの音楽作家になりたくて、10年前にアメリカの音楽大学に入学。作曲を学び直したそう。
その上で「シンガー・ソングライターとして曲を書くことと、ミュージカル音楽作家として曲を書くこと」
その一番大きな違いは、視点だとおっしゃっています。
ミュージカルの場合は個人的な視点ではなく、キャラクターの視点が大切。
その視点になって、言葉ではなく音で考えることは難しい作業だったけれど、一方でやりがいも感じていたそう。
日本語にこだわりながら、ミュージカル音楽を一生作り続けていきたいというアンジェラ・アキさん。
あ~、素晴らしい(拍手)!
「ミュージカルは総合芸術。関わる全員が答えを探し、何度も書き直したりしながら一緒に作品を作り上げる」と彼女が語る本気に、胸が熱くなった。
きっと、日本のミュージカル界に新しい風を吹き込んでくれることだろう。
この作品の幕が上がる5月が、より楽しみになった。
執筆者プロフィール
RYU
なんの肩書きもない観劇オタク。
2010年のクリスマスに韓国・ソウルで出会ったチョ・スンウによる『ジキル&ハイド』に衝撃を受けて以来、韓国ミュージカルの沼にハマる。
2011年以降、日本と韓国での劇場通いが始まり、ブログ(現在休眠中)やインスタに観劇記録をUPしている。
好きな俳優はチョ・スンウ、ホン・グァンホ、マイケル・K・リー、ヤン・ジュンモ、パク・ウンテ、中川晃教、成河など、数えきれない。
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