2024/09/05
《藤田久美子の旅エッセー》シングル・モルト・ウィスキーの聖地、アイラについて知っておきたいいくつかのこと【基礎知識編1】
ブナハーブン蒸留所。今回のいちばんのお気に入りの場所
前回のアイラ島は、スコットランドのヘブリディーズ諸島にあって、大麦の生育に適した気候と、豊富なピート層や良質な水に恵まれていることから、ウィスキー造りが発展してきた。
2024年9月現在稼働しているウィスキー蒸留所は、ブルックラディ、キルホーマン、カリラ、アードナホー、ブナハーブン、アードベッグ、ラフロイグ、ラガヴーリン、ボウモア、ポートエレン(訪問順)の10か所である。
ジュラ島に渡ってジュラの蒸留所にも行ってきた。
英国あるいはイギリスの、日本語の正式名称はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国だが、グレートブリテンと呼ばれる本島のなかでも、ロンドンのあるイングランドとスコットランドでは、文化はだいぶ異なっている。
アイラは、スコットランドのなかでもとりわけ清冽な印象の自然豊かな島だ。
スコットランドは英語が通じるけれども、イングランドの人はスコットランドの言葉、ゲール語はわからない。そのゲール語も話者は少なくなってきており、10年後には消える言語と言われている。
英語のアクセントや発音も独特で、泊まったホテルのバーでビールを注文したら、「オーライー⤴」と言われたので(私の耳にはそう聞こえた)、「がってん承知!」くらいの意味と勝手に思ったら、それは「How old are you?」という冗談だったことが後に判明した。
つまり、バー担当のナイスミドルは、「酒を飲んでいい年齢に達しているのか?」と尋ねて会話を弾ませたかったようだ。
ちっとも気付かずごめんなさい!
宿泊したアイラ・ハウスのバー。もちろんスコッチ・ウィスキーのラインナップは実に豊富
また、スコットランドではイギリスのポンド紙幣が使用できるが、スコットランドだけで流通している紙幣があって、それはイングランドやウェールズでは使うことができないし、日本に持ち帰っても両替できない。
日本からアイラへ行く最短ルートは、日本~ロンドン(ロシア上空を飛ばない現在、13~14時間)、ロンドン~グラスゴー(1時間半)、グラスゴー~アイラ島(45分)で、アイラ空港からは、タクシーかレンタカーを予約して移動することになる。
タクシーの数は少ないため、予約必須。空港に客待ちのタクシーはいないそうだ。
<つづく>
藤田久美子
ライター・エディター・トランスレーター。トレンド誌、ビジネス誌の執筆、編集のほか、IT系を中心に翻訳者として活動。著書に「大事なことはみんなリクルートから教わった」(共著・ソフトバンク文庫)、「松本隆のことばの力」(集英社インターナショナル新書)など。
執筆者プロフィール
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