2026/06/30
《藤田久美子の旅エッセー》AIと旅する その2【美術館】美術鑑賞のオーディオガイドはGeminiにおまかせ
パリのなかでも、ピカソ美術館は当日券で入場できるナイスな美術館のひとつである。この美術館に、マティスとモディリアニが飾ってあった。ピカソの美術館なのに何故?

マティス「マルグリットの肖像」:マティスの娘をモデルにした作品

モディリアニ「黒い髪の少女」:早逝したモディリアニの才能をピカソは高く買っていた
この2枚の絵画はどちらもピカソの個人コレクションで、どちらの画家とも交流があったと知ることができたのは、絵を撮影した写真をGeminiに読ませて解説してもらったからだ。
美術館で貸し出してくれるオーディオガイドを利用すれば、作品の背景や歴史を知ることができるわけだが、そういう知識によって鑑賞が楽しくなるタイプなら、興味を持った作品を片っ端から解説してくれるAIは、美術館が作成したガイドよりもずっと役に立つ。
日本の美術館と違って、ヨーロッパの美術館はほとんどが写真撮影に制限を設けていないので、興味が趣くままに好きな作品をいくらでも解説してもらえるのである。音声で読み上げさせてBluetoothで飛ばせば、ワイヤレスのオーディオガイドとして利用できる。
さて、その解説なのだが、日本に戻ってNHKのEテレで放送されていた「3か月でマスターする西洋美術」という番組を見ていたら、オルセー美術館で見てきたルノワールの作品についてGeminiとそっくり同じ内容がナレーションで説明されていた。大学教授が監修しているので、間違ってはいないはず。
というわけで、AIは時々嘘を言うけれど(美術解説に関しては)概ね信用していい気がする。もしかしたら、ナレーション原稿を作った人がGeminiを使ったのかもしれないけどね。

ルノワール「陽光のなかの裸婦」:木々の緑を通した陽光が肌を病的に見せると批判があった作品

ルノワール「雨傘」:人物を描くタッチの違いにルネサンス絵画の影響を見てとれる
<つづく>
藤田久美子
ライター・エディター・トランスレーター。トレンド誌、ビジネス誌の執筆、編集のほか、IT系を中心に翻訳者として活動。著書に「大事なことはみんなリクルートから教わった」(共著・ソフトバンク文庫)、「松本隆のことばの力」(集英社インターナショナル新書)など。
執筆者プロフィール
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