コラム

2025/06/20

ネコろんで読む英語コラム (46)英語の“土砂降り”は「cats and dogs」「Rain check」どっち?

雨にまつわる英語の慣用句といえば「cats and dogs(土砂降り)」を思いつく人も多いのではないだろうか。
なぜか、あまり英語に縁のない人でさえこのフレーズは知っている人が多い。よほど印象に残ったということだろう。

 
ところが、実際にネイティブがこれを使っている(話している)のを聞いたことがない。今でも学校で教えているのだとしたら即刻やめてもらいたいものだ。
 
よく使われる慣用句の代表格にrain checkがある。
雨のチェックではない。
「take a rain check」というフレーズ、意味は「また今度、またの機会に」である。
 
明場由美子 英語コラム 土砂降り 梅雨

「これから飲みに行かないか」と誘われて、「忙しいからまた今度ね」と断りたいとき、「Let’s take a rain check」といったりする。



語源はアメリカの野球である。
 
その昔、雨で試合が中止になった時にrain checkを配っていたらしい。後日、そのcheck(券)を持っていけば別の日に試合を見ることができた。
そこから別の機会に振り替えるという意味で使われるようになったということのようである。なるほど。
 
これは本当に「また今度ね」という気持ちでいうこともあれば、やんわりとお断りしたいときに使うこともある。
 
英語は日本語と違って意思表示がはっきりしたストレートな言語だと思っている人がいるが、実際は違う。
「また今度」が二度とやってこないなんてことは、日本だけのお話ではないということを覚えておいたほうがいいかもしれない。

執筆者プロフィール

Yumi

English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。

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