コラム

2024/07/14

ネコろんで読む英語コラム (15)ママはミイラ?

私が英語にハマったきっかけはテレビの洋画劇場で、子供の頃は本当によく映画を観た。
テレビだけではなく映画館にも足しげく通った。
 
学生の頃にはレンタルビデオが普及し始め、新旧問わずいろんな映画を借りては観ていた。今でこそ洋画のタイトルはそのままカタカナ表記のものが多くなったけど、かつては日本語のタイトル(邦題)が付いていて、それが原題とかけ離れていることがしばしばあった。
 
『明日に向かって撃て!』などその最たるものだろう。言わずと知れたアメリカン・ニューシネマの金字塔、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが実在の銀行強盗を演じた西部劇で、原題は『Butch Cassidy and the Sundance Kid』。ぜんぜん違うやないかい!
 
でもアメリカの伝説の大泥棒ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドを知っている日本人なんて、当時はほとんどいなかっただろうから、わかりやすい邦題を付けたことは大正解だったと思う。
 
ちなみに、サンダンス映画祭はこの映画祭主催のレッドフォードが自身が演じたキャラクターの名前を付けたことが由来らしい。
 
ブレンダン・フレイザーが主演しヒットした、『ハムナプトラ / 失われた砂漠の都』の原題は『The Mummy』。和訳すると「ミイラ」でこれだといささかパンチに欠ける。
 
ハムナプトラをタイトルにしたのは正解だと思う。
ネコろんで読む英語コラム 明場由美子 レオ 英語コラム 明日に向かって撃て ハムナプトラ 
 
ところで、このmummyという単語。映画が流行った当時は知らなかったのだけど、ミイラのほかにママという意味の幼児語でもあるのだ。それを知った時は「えー、うそー!」と驚いてしまった。



イギリスではママのことをmummyと呼ぶ。イギリス英語に詳しくない私はそのことを知らなかった。アメリカではmommy。発音も違う。
 
小さい子供が母親に対して「ミイラ」と呼ぶとか、違和感バリバリなんですが。ネイティブの人たちはいったいどんな感覚なのだろう。
 
似たような例でaunt(叔母)がある。
これはant(蟻)と全く同じ発音で、叔母と昆虫が同じってなんだか気持ちが悪い。そう感じる人がいるからか、最近ではauntの発音を敢えて変えて言うアメリカ人もいるそうな。だよねぇ(笑)。
 
言葉ってこういう変なことがいっぱいあるから面白いと、言葉オタクの私は思うのであった。

執筆者プロフィール

Yumi

English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。

画面上部に戻る