写真・アート

2024/03/16

【ジェリー・ヤンの世界撮りっぷ】フランスの女は死ぬまで女

昔は、フランス人の女性が素敵で憧れられているような話が多かった。
 
フランスやハリウッドの映画に登場するフランス人の名優たちはもちろん、パリの街にもスタイルとセンスのいい女性が多いイメージだった。特に隣国のイギリス人と比べたら。
 
僕は生まれながらのフランス人じゃないが、フランスには長く住んでいるので、よく日本の友だちに聞かれる。
「フランス人の女性は一体どこが違うんですか?」
 
僕の答えはいつも簡単だ。
「フランスの女は死ぬまで女だ。」
 
今の世の中、ほとんどの社会で女性に対して意図的に、あるいは無意識に“肩書”をつけるんだ。
 
日本は特にひどい。
高校生はJK、大学生はJD、事務業務全般だったらOL、結婚したら人妻、子供ができたらお母さん、年相応になったらアラフォー、年を取っても美しければ美魔女…。
 
それを好んでいるわけでもないのに、日本の女性はいろんな肩書との戦いを続けている。
 
ジェリー・ヤン 世界撮りっぷ フランス人女性 パリの女性
©Jerry Yang
 
フランスの女性は逆だ。
もちろん就学、就職、結婚、出産、離婚など、いろんなことを日本女性と同じように経験しているが、それは自分を定義つけるものではない。
自分は自分だ。



何歳になっても、どんな状況でも、好きなときに好きな服を着る。好きなものを好きなように食べる。
好きな場所に好きな人と一緒に行く。例え、その人が法律上のパートナーでなくても。
 
そして、死ぬまで恋をする。
 
ヴァカンスと恋はフランス人にとって基本的人権だ。(自由や平等、博愛なんてどうでもいい)
 
友だちのお母さんは70代だけど、一人でフランスのバスク地方にあるサン=ジャン=ド=リュズに住んでいる。一度、友だちに誘われて遊びに行ったことがある。
だから友だちに会うたび「お母さん、元気?」と聞くけど、「最近またボーイフレンドを変えたわ」って、お茶を飲みながらさり気なく自分を生んでくれた女性をディスっていた。
 
堂々と生きている。誰のためでもない、フランスの女性。
 
じゃあ、どうして過去形で「昔はフランス人の女性が素敵で憧れられている話が多かった」なの?
 
その話はまた今度。

プロフィール

Jerry Yang(ジェリー・ヤン)

フランス・パリを拠点とするベンチャーキャピタル投資会社「HCVC」のゼネラル・パートナー。
台湾の高雄で生まれ育ち、起業家として台湾からシリコンバレーへ。渡仏した後、ベンチャー投資を行う。
趣味で世界各地を旅行し、撮影した写真が「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたこともある。

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