2024/09/23
ネコろんで読む英語コラム (25)エミー賞受賞のドラマ『SHOGUN 将軍』はなぜ“ショーガン”?
真田広之がプロデュースと主演を務めたアメリカのテレビドラマ『SHOGUN 将軍』が今年のエミー賞を総なめした。
エミー賞はテレビ版アカデミー賞とも言われ、日本人ではワダエミさんが衣装デザイン賞を受賞したのが記憶に新しい。
過去にはオリジナル版の『将軍 SHOGUN』も1981年に衣装デザイン賞を受賞している。
日本人俳優が受賞したのは今回が初めてで、しかも男優、女優ともに受賞というのは快挙と言っていいだろう。
エミー賞授賞式を見ていて思ったのが、SHOGUNを「ショーグン」と発音できる英語ネイティブって少ないんだなということだった。
ほとんどの人が「ショウガン」と発音していた。
Show-gunだとショー用の拳銃みたいじゃないの。
Gunをガンと発音してしまうのはネイティブならしょうがない(洒落ではない)のかもしれない。
でもグンはそれほど発音しづらい音でもないのだから、できるだけ本来の音に近い言い方をしてほしい。
まして業界人なら作品に敬意を払ってそのあたりはもっと気を付けてもいいのではないか。なんてちょっと残念に思ってしまった。
ちなみに、女優賞を受賞した澤井杏奈の英語表記はAnna Sawaiで、Annaの発音はアンナではなくアナ。
そう、あのディズニーの傑作アニメ『アナと雪の女王』のアナである。
彼女を紹介するとき、「アノスワ~イ」になっていてこれまたもやもやしてしまう。
Anna / Sawai と苗字と下の名前を区切って発音すれば「アナサワ~イ」になるのだが、英語は往々にして姓名を区切らずに言う。
元大統領のBarack Obamaは、Barackの「k」とObamaの「O」が繋がるせいで「バラコバマ」になる。
Annaの最後のaは弱い母音で続くSに吸収されてしまうのと、Sawaも早口だとSwaになるため「アノスワ~イ」になってしまうのだ。
この先日本人俳優や映画人の存在感がもっと上がってくると、こういったアメリカンな発音も徐々に日本語っぽく変わっていくのだろうか。
かつて「ポ~キモ~ン」と呼ばれたPokemonもいまや「ポケモン」と発音する人が大半になったように。いつかきっとそうなるのではないかと期待している。
執筆者プロフィール
Yumi
English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。
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