2024/10/09
ネコろんで読む英語コラム (27)ブルース・ウィリス主演のあの映画の原題は『The whole nine yards』だった?
先日YouTubeを見ていたら、ある人気お笑いタレントが古い諺がいかに非現実的かという話をしていた。
石の上にも三年とか、そんなの死んでしまうから不可能だと。
そこでふと思ったのだが、石の上にも三年だけでなく、五里霧中だとか一寸の虫にも五分の魂だとか諺にはやたら数字が入っているけれど、英語はどうだろうか?
気になったので調べてみると、英語にも数字を含む慣用表現というのが結構あることがわかった。
たとえば、whole nine yards。
直訳すると「9ヤード(約8メートル)全て」という意味だが、全力を尽くす、徹底的にやりきる、という意味で使われるスラングである。
「I’ll go the whole nine yards for you.」で、君のためならどこまでだって行く、つまり君のためなら何でもする、となる。
語源は諸説あるが、第二次世界大戦中の米軍戦闘機の弾倉が9ヤードあり、弾帯を全部使い切るまで戦いつくすというところから「すべてを出し切る」という意味で使われるようになったらしい。
予想に反してなんだか物騒な語源だった。
ちなみにブルース・ウィリス主演の映画『隣のヒットマン』の原題がこれ。
隣の敷地まで9ヤードという意味ではなく、登場人物たちがそれぞれの目的やミッションを果たすために全力を尽くす姿を表現しているのではないかと私は思っている。
隣に殺し屋(ブルース・ウィリス)が越してきたことで様々な問題に巻き込まれていく歯科医を演じるのは、フレンズのチャンドラー役でおなじみのマシュー・ペリー。
良い役者なのに薬物依存で早逝してしまったのが残念だ。
この映画でも良い味を出しているので未見の方はぜひ。
執筆者プロフィール
Yumi
English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。
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