海外エンタメ

2024/08/12

ネコろんで読む英語コラム (19)スタンダップコメディ

私の数少ない趣味の一つに観劇がある。毎月1本はお芝居なりミュージカルなりを見るようにしている。
 
バリバリの大阪育ちなので子供の頃はお笑いや新喜劇を好んで見ていたが、今はすっかり足が遠のいてしまった。
特に東京に移り住んでからはお笑いのライブに行くことはほとんどなくなった。
 
そんな私が久しぶりにコメディショーを見に行くことになった。アメリカのStand-upコメディアン、Atsuko Okatsukaという日本人女性の東京公演が先月行われたのだ。

 
Stand-up コメディアン アツコ・オカツカ 英語コラム 明場由美子 ネコろんで読む英語コラム
公式HP

 
Atsuko Okatsukaは台湾人の母と日本人の父の間に台北で生まれ、生後間もなく父の故郷である日本に移り住んだ。10歳の時にアメリカに移住し、当初は言葉もまったくわからず苦労したという。
そんな彼女も今やアメリカで大成功をおさめている。



前々からYouTubeで見て知ってはいたけれど、実際に生で見るとやはり臨場感が違う。
 
アメリカには各地にコメディクラブがあり多くのコメディアンたちがしのぎを削っている。その中からテレビに出て名が売れる人はほんの一握りで、Atsuko Okatsukaはアジア系でしかも女性というかなり特異な存在だ。
おまけに名前が覚えにくく発音しにくいというある意味、大きいなハンデがある。
 
岡塚敦子という名前は日本の名前としては取り立てて珍しいわけではない。けれども英語では特異な響きがする超珍名さんなのだ。
というのも、英語ネイティブは「ツ」が発音できない。
 
友人に松岡さんという人がいるのだが、彼女はいつもアメリカ人のクライアントから「ミズ・マチュオ~カァ」と言われてイラっとすると言っていた。
Atsukoもそのまま発音すると「アチュ~コ」になるし、Okatsukaも「オカチュ~カァ」になってしまうだろう。
これは日本人の感覚からはちょっと受け付けない響きだなぁ、なんて思っていたら実際は違った。
 
Atsukoは「ア~ツコ」、Okatsukaは「オゥカ~ツカ」と発音されていた。
 
ちなみにWikipeiaを見ると、名前の発音記号は“ˈɑːtskoʊ oʊˈkɑːtskə”になっていて、tsuのuの音が脱落しているのがわかる。
英語ネイティブは「ツ」がどうしても「チュ」になってしまうので、tsuではなくtsにすることで近い音にしたのだろう。
 
きっとご本人は子供の頃から散々名前では苦労してきたはずで、それでも芸名を名乗らず本名で通したところに強い意志を感じる。
これからきっとさらに有名になるであろうAtsuko Okatsukaを応援したいと思う。

執筆者プロフィール

Yumi

English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。

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