2025/03/13
【今日も感劇日和】初演のオリジナルミュージカルがもたらした快挙!『ケインとアベル』
創作グランドミュージカル『ケイン&アベル』が松下洸平さんの主演で上演されると知ったときは、とても驚いた。
観ようかなぁ?やめておこうかなぁ?
と悩んでいるうちにチケットが発売されて、「ワイルドホーンだし、とりあえず1回観てみるか!」と、ポチした(笑)。
簡単なあらすじだけ頭に入れて劇場へ。
まずは、音楽。
キャストの声質とマッチしている、耳に馴染む曲が多いなぁ、という印象。
ワイルドホーン味が強すぎないのが良かった(笑)。
グランドミュージカルらしい舞台構成で、20世紀初頭の活気あるアメリカの雰囲気が醸し出されていたし、ダンスシーンが華やかで素敵だった。
舞台奥に陣取るオケが姿を現す演出も洒落ていてテンション上がった!
ベテランも若手も、力量のある俳優さんばかりで、グランドミュージカルとしての魅力も備えた作品だと思った。
アベルを演じた、松下優也さん。
複雑な背景を持って育ち、「勝ち抜いてやる!」という上昇志向の強い男の出で立ちが決まっていた!
歌声も力強く、舞台上での存在感も際立っていて、最近大舞台で大役を果たしてきた実力が遺憾なく発揮されていると感じられた。
咲妃みゆさん、やっぱり上手い。
ストーリーテラーとアベルの娘の役を演じたが、声がよく通り歌声も確かで、ストーリーテラーとして舞台を引き締めていたし、後半演じたアベルの娘はしがらみにとらわれず、強い意志を持って生きる女性としての魅力が溢れていた!
アベルの妻役の知念里奈さん、ケインの妻を演じた愛加あゆさんも、役柄にピタッとハマっていた。
特に知念里奈さんのナンバーは歌声に聴き惚れた。
後半は、女性キャスト陣の魅力炸裂で、物語を牽引していたなぁ。
久々に上川(一哉)くんの「キレキレダンス」を観られたのも嬉しかった!
ムーランルージュでの物足りなさを、払拭してくれたのだった(笑)。
やはり彼のダンスはいい。
そして、ケインを演じた松下洸平さん。
丁寧に演技をし、シャープなダンスを見せてくれた。
PVで見た時はちょっと心配だった歌声も安定していた。
ただ、昔から彼のミュージカルを観てきた私は、やっぱり『スリル・ミー』や『next to normal』のような、小〜中規模で深みのあるミュージカルのほうが、松下さんの魅力がより発揮できるのでは?と思ってしまうのだった。
開幕後の評判がとてもよく、どんどんチケットが売れて、後半は満席続きという、そんな理想的な展開になった『ケインとアベル』。
あのシアターオーブが、日本人キャストによる初演のオリジナル作品で「チケット完売!」とは素晴らしいことだ(拍手)。
執筆者プロフィール
RYU
なんの肩書きもない観劇オタク。
2010年のクリスマスに韓国・ソウルで出会ったチョ・スンウによる『ジキル&ハイド』に衝撃を受けて以来、韓国ミュージカルの沼にハマる。
2011年以降、日本と韓国での劇場通いが始まり、ブログ(現在休眠中)やインスタに観劇記録をUPしている。
好きな俳優はチョ・スンウ、ホン・グァンホ、マイケル・K・リー、ヤン・ジュンモ、パク・ウンテ、中川晃教、成河など、数えきれない。
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