観劇

2024/03/24

【今日も感劇日和】ミュージカル好きなら、これは観なくちゃ!! 『COME FROM AWAY』①ストーリー編

2001年9月11日に発生した、アメリカ同時多発テロ。
アメリカ国内に着陸する予定で、様々な国から飛び立った38機の飛行機が、カナダのニューファンドランド島にあるガンダーという町に緊急着陸した後の出来事を描いた、実話に基づいたミュージカル。
 
100分、ノンストップの1幕もので、12人の俳優たちが、乗客たちを迎え入れるガンダーの町の人々と、乗客のどちらも演じる。
綿密な取材をもとに構成されており、登場人物のほとんどに実在のモデルがいるそうだ。
 
2017年のトニー賞では、多くの賞を受賞している。
あの9.11での出来事をミュージカルにしてしまう発想にも脱帽だし、100人以上の役柄を12人の俳優で演じることも驚きだったし……、一体どんなミュージカルになっているのか、とても楽しみにしていた。
 
2月に韓国で、3月に日本で2回観た感想を簡単に。
 
RYU 観劇 感劇日和 カムフロムアウェイ ブロードウェイ・ミュージカル

ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』公式HP

 
冒頭、ガンダーの人々の日常が描かれ、その後、大惨事の一報を受け取るところからストーリーが動き出す。
 
世界中から「原語・人種・宗教・食生活・健康状態・年齢層・・・etc」が違う、老若男女(動物たちも)が小さな町に7000人もやって来るということが、一体何を物語るのか?
 
まず頭に浮かんだのは寝床と食事の確保だったが、ガンダーの人々が受け入れ準備に考えを巡らす場面を見ながら、「そうかぁ、あんなことも、こんなことも必要なのだ!」と、自分の想像力の欠如を情けなく感じたし、国籍も文化も違う多種多様な人々が集まるということは、そこに社会の縮図が生まれるということにも気付かされた。
いや、もう、これは本当に大変なこと!!
 
ガンダーでの数日間に起きたエピソードや人々の交流が、次々に描かれ、クスッとしたり、ズキッとしたり、ホロッとしたり・・・。
町の人々も乗客も、事の重大さに打ちのめされながら、それでも前を向くしかなく。
人と人との関わりの中から生まれる安心感や連帯感に救われるし、絶望の向こうに見出せる希望を信じることができた。
使い古された言葉だけれど、そう、やっぱり人間は一人では生きていけないのだよね。
 
ガンダーの人々は「自分がその立場になれば、誰だってやるはずだ」と、金銭を受け取ることもない。
 
果たして、私にも同じことができただろうか?
そんな思いが頭をよぎった。
<次回につづく>

執筆者プロフィール

RYU

なんの肩書きもない観劇オタク。
2010年のクリスマスに韓国・ソウルで出会ったチョ・スンウによる『ジキル&ハイド』に衝撃を受けて以来、韓国ミュージカルの沼にハマる。
2011年以降、日本と韓国での劇場通いが始まり、ブログ(現在休眠中)やインスタに観劇記録をUPしている。
好きな俳優はチョ・スンウ、ホン・グァンホ、マイケル・K・リー、ヤン・ジュンモ、パク・ウンテ、中川晃教、成河など、数えきれない。

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