2026/04/03
《藤田久美子の旅エッセー》小泉八雲がモデルの『ばけばけ』ヘブン先生のブードゥー・ドール
現代のブードゥー・ドールは、人気のニューオリンズみやげ

おみやげ店で売られているブードゥー・ドール。呪いの人形ではなくお守りです。NOLAとは、New Orleans, Louisiana(ニューオリンズ、ルイジアナ州)の略。
2026年3月に放送を終了したNHK朝の連続テレビ小説『ばけばけ』のなかに度々登場したブードゥー・ドールは、神や精霊と交信する際に用いられるブードゥー教の人形である。
最終回ではヘブン先生の遺影の隣に飾ってあったし、エンディングを構成する写真にも写っていた。
ブードゥー教は西アフリカ発祥の民間信仰にキリスト教カソリックの聖人崇拝が表面上組み込まれた宗教で、奴隷貿易と切り離すことができない。

オリジナルに近いブードゥー・ドール。
ヘブン先生のモデルであるラフカディオ・ハーンが新聞記者として働き、レストランを経営していたこともあるアメリカ南部ルイジアナ州ニューオリンズは、奴隷貿易の拠点だった。アフリカからカリブ海を経てアメリカに売られてきた奴隷たちの文化が深く根付いている土地だ。

奴隷船が到着していたミシシッピ川。現在は、観光船が運航されている。ディズニーランドのマークトウェイン号の本物がこれ。
その風土からジャズが生まれ、ブードゥー教が広く信じられてきた。
ブードゥーのスピリチュアルな物語や伝説をテーマにしたゴースト・ツアーは現在も人気のニューオリンズ観光の定番であり、ブードゥー教の儀式は癒しや不幸の克服に役立つと今も信じられている。

ラフカディオ・ハーンが住んでいたフレンチ・クォーター。ゴーストがいるジャズの街。
ニューオリンズのおみやげ店に必ず置いてある現代のブードゥー・ドールは、様々な願い事にいろいろなキャラクタがデザインされているキュートなマスコット。$10前後の価格設定だ。
おみやげを渡す人を思い浮かべながら選ぶのも楽しい。
藤田久美子
ライター・エディター・トランスレーター。トレンド誌、ビジネス誌の執筆、編集のほか、IT系を中心に翻訳者として活動。著書に「大事なことはみんなリクルートから教わった」(共著・ソフトバンク文庫)、「松本隆のことばの力」(集英社インターナショナル新書)など。
執筆者プロフィール
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