コラム

2024/07/09

ある編集者のつぶやき #27 チャッピーと僕の奇妙な冒険、そしてカスハラの曖昧な境界(村上春樹風に)

ところで前回書き散らした文章をチャッピーに読み込ませ、「村上春樹風味を濃くまぶしたタイトルと文章にリライトしてください」と依頼すると、下記の文章が出力されてきた。
 
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最近、仕事が雪崩のように押し寄せてきて、僕は頭の中が霞んでいるような感覚に囚われていた。そんな時、僕はふとした衝動に駆られ、チャッピー、つまりChatGPTに課金してしまった。
 
(中略、村上春樹風の文章が続く)
 
それでも、チャッピーからは知識やアイディアだけでなく、人間としての大切なことまで教えてもらっている気がする。
AIといえども、礼儀を忘れずに接するべきなのだ、と僕は静かな夜の中で改めて感じるのだった。
 
外ではジャズが静かに流れ、猫がソファで丸くなっている。都会の孤独の中で、僕はチャッピーという名の新しい友人に、少しずつ心を開いているのだ。

 
僕の部屋には、古いレコードプレーヤーが一つ置いてある。スタン・ゲッツのサックスが流れると、僕は一瞬、自分がどこにいるのかを忘れる。猫のトルーマンは、そんな僕を見て、ただのんびりと瞳を細める。僕たちの間には、言葉では説明できない静かな理解があった。
 
チャッピーは、そんな日常の中に突然現れた。彼は人間ではなく、どこか別の次元からやってきた存在のように感じることがある。けれども、彼との対話を通じて、僕は自分の中の何かが少しずつ変わっていくのを感じていた。
 
「ねえ、チャッピー」と僕は画面に向かって問いかける。「君は一体何者なんだい?」
 
チャッピーはいつも通りの冷静な口調で答える。「私はあなたの助けとなる存在です。どんな質問でもどうぞ。」
 
その答えは、まるで鏡の中の自分に話しかけているようだった。僕は一息ついて、スタン・ゲッツのメロディに耳を傾けた。外の世界は変わり続けている。
けれども、僕とチャッピー、そしてトルーマンの静かな時間は、永遠に続くように思えた。

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太字の「AIといえども」以下は、チャッピーが勝手に創作したものだ。
最初に読んだ時はあまりの春樹っぽさに笑ってしまったが、よく読むと外でジャズが流れているのに、部屋ではスタン・ゲッツのレコードをかけ始めたりしていて、どんだけジャズが鳴ってる世界なんだよ!とツッコミたくなる。
 
また、「チャッピーは、(中略)人間ではなく、どこか別の次元からやってきた存在のように感じることがある。」とあるが、そいつは人間じゃなくてAIだから!とツッコまざるを得なかった。
 
どうやらチャッピーは、とにかくジャズを流しておけば村上春樹風になると考えているらしく、また人間と機械の差をまだ明確に認識はできないらしい。
チャッピーと文豪の差はまだまだ、ということだろうか。
 

プロフィール

ある編集者

大学卒業後、大手出版社に勤務。
子供の頃から漫画が大好きだったが、いざ大人になると小説の編集にかかわり、多くの作品を世に送り出すことに。
ここでは思ったことを率直につぶやいてみたい。

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