2024/05/01
ネコろんで読む英語コラム (5)究極の空耳 “スーパーサラダ”
英語学習者ならだれでも一度は経験するのが、いわゆる“空耳”である。
空耳とは、本来聞こえないはずの声を聞いたような気がすることを言うのだけど、いつの間にか「外国語のフレーズが日本語に聞こえる現象」という意味も加わってしまった。
これはかつての深夜番組『タモリ倶楽部』の人気コーナー『空耳アワー』からきているのではないかと、私はひそかに思っていたりする。
有名な英語空耳に“スーパーサラダ”というのがある。
レストランで注文しているときに店員から「Super salad」と言われ、どんなすごいサラダだろうと思ったら「Soup or salad(スープとサラダ、どちらにしますか)?」と聞かれていたというもの。
この手の英語空耳は本当に枚挙にいとまがない。いったいなぜこんなことが起きるのだろうか。
スープオアサラダがスーパーサラダに聞こえるのは、いわゆるリエゾンのせいなのだ。
リエゾンというのは音が連続する現象のことで、「Thank you」がサンク・ユーではなくサンキューになる、と言えばわかりやすいだろうか。
最近活動を復活して話題の中森明菜の代表曲『Desire』は「ゲラッゲラッゲラッゲラッ」で始まるけれど、これは「Get up, get up, get up, get up」と言っているのであって、けっしてゲラゲラ笑うのゲラではない。
サンキューはthankの語尾のkとyouの語頭のyがつながることでky(キュ)という音に変わる。
ゲラッも同じで、getのtとupのuがつながり日本語のラみたいな音になる。
「Soup or salad」もsoupのpとorがつながるからsouporとなってsuperと同じ音に聞こえる(というか、実際に同じ音なのだけど)。英語は基本的に音がぜんぶつながっていく言語で、それが多くの空耳を生み出しているのだ。
このリエゾン現象、やっかいなことに固有名詞にも起こってしまう。人名や町名なんかも容赦なくつながるので、思っていた音とまったく違う音になってなんのことかさっぱりわからない、なんてことになったりする。
昔、アメリカ人の友達と話していたら「リルリルリー」と言うのでなんの呪文だろうと首をかしげていたところ、Little Italyのことだった。
リエゾンは手ごわい。
英語のリスニングに苦戦している人は、リエゾンに慣れる訓練をしたらいいと思う。
とりあえず音は全部つながる、と覚えておこう。
執筆者プロフィール
Yumi
English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。
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