2024/04/03
ネコろんで読む英語コラム (1)英語のことわざと猫
古今東西、動物を使ったことわざやフレーズは数多くあるけれど、英語も例外ではなく日本語と比較してみるとなかなか面白い。
たとえば、猫。
私は大の愛猫家で、レオという名の8歳のメインクーンと暮らしている。猫好きが高じて猫にまつわるものは何でも気になるのだけど、日本語における猫のイメージはあまり好ましいものとは言いがたい。ざっと挙げてみると次のような感じ。
猫舌
猫に小判
猫の額ほどの〇〇
ねこばば
猫の手も借りたい
なんだか全部悪い意味でがっかりしてしまう。特にねこばばは酷い。
一説によれば、猫が糞をしたあと砂をかけて隠す様子からできた言葉だとか。
猫の手も借りたいというのだって、なんの役にも立たない猫の手でもいいから借りたいと思うほど忙しいということで、猫に対して失礼この上ない。猫の手って案外器用なのよ。少なくとも犬よりは器用なのになぜ「犬の手も借りたい」にならなかったのか。
あ、ちょっと腹が立ってきた。
では英語はどうだろうか?
cool cat かっこいい人
fat cat 金持ち
scaredy cat 臆病者、ビビり
A cat has nine lives. 猫は不死身
Curiosity killed the cat. 好奇心は身を亡ぼす
お、英語は良い意味の表現もあるじゃないの。
fat catは太った猫、つまり私腹を肥やしている金持ちというネガティブなニュアンスがあるので使うときは注意が必要だけどね。
そういえば、フランスと中国の合作でケヴィン・スペイシー主演の『Nine Lives』というコメディ映画があった。
邦題は『メン・イン・キャット』で『メン・イン・ブラック』にあやかってヒットを狙おうという魂胆が見え見えだったけれど、原題が『Nine Lives』なのでしょうがないかもしれない。
原題の『Nine Lives』は、A cat has nine lives(猫には九つの命があり、容易には死なない)から取ったのは明らかで、このことわざを知らないとどんな内容か想像ができない。
それにしても、猫には九つの命があるだなんて、西洋において猫は神秘的なイメージなのかも。
まあ、日本でも百年生きた猫はしっぽの先が二つに割れて猫又になると言われているけどね。
生き物を使った英語表現って結構いっぱいあって興味は尽きないので、また機会があれば紹介していこうと思う。
キーボードを打つ私の手をレオが邪魔してきたので今日はこのへんでおしまい。
執筆者プロフィール
Yumi
English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。
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