コラム

2024/08/20

ネコろんで読む英語コラム (20)エバンジェリスト

昨今のなんでもかんでもカタカナにする風潮には心底辟易している。
ソーシャルメディアの時代になってからというもの、加速がついたかのようにカタカナ語が大量に流入してきた。
 
たとえば、インフルエンサー。
昭和世代の私はインフルエンザと見間違えてしまった。
 
これはもちろん、influencerのことで、influence(影響)を与える人、つまり影響力のある人を意味する。
まあ確かに、日本語で「ソーシャルメディア上で影響力のある人」と言うと長すぎるから、インフルエンサーとカタカナで言った方が楽だという気持ちはわからなくもない。
 
最近いちばん衝撃を受けたのが、エバンジェリストという言葉。
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これは文字で見たのではなく誰かが話しているところを聞いたのだが、一瞬何のことかわからなかった。



そういえば80年代バブルの頃、スーパーモデルブームがあった。その先頭を切っていたモデルの一人にリンダ・エバンジェリスタがいる。
深夜にヘビロテされていた銀座ジュエリーマキのCMに出ていたショートヘアの女性といえばピンとくる方もいるのではなかろうか。
 
あのリンダとは何の関係もないエバンジェリストだが、これは英語のevangelistから来ている。発音はvaのところにアクセントがあるので、エ⤴ヴァ⤵ンジェリストとなる。
 
「キリスト教の福音を説く者」というのが元の意味で、そこから発展して「伝道者」とか「啓蒙者」という意味になり、現代ビジネス用語としては商品の価値をわかりやすく伝える人という意味で使われているようだ。
語源は遥か昔、古代ギリシャ語にまで遡る。ちなみに大ヒットアニメ「エヴァンゲリオン」も同じくこのキリスト教の福音が語源である。
 
それにしても日々量産され続けるカタカナ語に、おばさん脳の私はもはや追い付けないでいる。
せめて英語にするか日本語にするかどちらか一方にしてもらいたい。ちゃんぽんはつらいよ。
 
メディア関係の方、もしこのコラムを見ておられたらどうかどうか、これ以上カタカナ語を流布するのはやめてもらえないだろうか。ほんまに。心の底から頼みますわ。

執筆者プロフィール

Yumi

English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。

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