写真・アート

2024/03/02

【ジェリー・ヤンの世界撮りっぷ】観光客も訪れる人気スポット「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」の皮肉な風景

セーヌ川左岸にある「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」は、特に読書好きじゃない観光客でも訪問する名所になっている。
 
もちろん、やってきたお客さんの中で本を買う人は極めて少数派。ほとんどがインスタ映えの写真を撮るために訪れている。
 
おかげで2016年にオープンした隣のカフェはいつも混んでいる。多分、「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」が売上の大半に貢献しているはず。
みんな、一冊15ユーロの本には興味ない。けど、15ユーロのお茶とケーキのセットメニューは大人気だ。
 
ジェリー・ヤン 世界撮りっぷ フランス パリ シェイクスピア・アンド・カンパニー書店 カサブランカ ハンフリー・ボガート
©Jerry Yang
 
2020年11月、フランスが2度目のロックダウンに入った。
「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」は大ピンチ。売上の8割を失った。
 
現店主のシルヴィア・ウィットマンはいくつのインタービューで「助けてください」と世間に発信していた。
僕のパリ人の友だちの中にも、書店を助けるためにオンラインショップで本を大量に購入した人が何人もいた。
 
やっとコロナが明け、「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」を含め、パリのすべての名所は元の混雑状態に戻った。カフェのお茶とケーキのセットも相変わらず大人気。一冊15ユーロの本も以前と変わらず、まるでお飾りのよう。
 
映画『カサブランカ』でハンフリー・ボガートさんが「We’ll always have Paris(僕たちにはパリでの想い出がある)」と言っていた。
もしかしてこのことかな?

プロフィール

Jerry Yang(ジェリー・ヤン)

フランス・パリを拠点とするベンチャーキャピタル投資会社「HCVC」のゼネラル・パートナー。
台湾の高雄で生まれ育ち、起業家として台湾からシリコンバレーへ。渡仏した後、ベンチャー投資を行う。
趣味で世界各地を旅行し、撮影した写真が「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたこともある。

画面上部に戻る