日本エンタメ

2024/07/03

ある編集者のつぶやき #25 TM NETWORK第三の男・木根尚登は「謎の中国人」だった!?

この春、Netflixで配信された実写版『シティーハンター』が話題になった。そのエンディングテーマであるTM NETWORKの「GET WILD」の新アレンジ版を聞きながら、僕はTM第三の男・木根尚登のことを考えていた。
 
TM NETWORKは3人のユニットで、ボーカル・宇都宮隆、シンセサイザー・小室哲哉、そしてギター・木根尚登という構成である。
その木根がデビュー当初、「謎の中国人」としてプロモーションされていたことを知る人は、ファン以外でどれぐらいいるだろう。

 
デビュー曲のタイトルは「金曜日のライオン」。

 
僕も大好きな曲だが、このMVがまあクソダサい(言葉で説明するより観ていただいた方が早いだろう)。

実は宇都宮、小室、木根はデビュー前に別のバンドに所属していたことがある。そのバンド内で木根はキーボード担当だった。
だから「金曜日のライオン」のMV内でも彼はキーボーディストである。ただし、なぜか下半身が映ってないなど好き放題にいじられている。
 
TMの最初期、雑誌のインタビューは宇都宮と小室のみが受けており、木根は表に出てこなかったという酷い扱いを受けている。
木根の中国人風の容貌を活かして話題性を狙った戦略と言われているが、本人はよく拒否しなかったものだ。
 
やがてギタリストに転向したが、最初期はギターが弾けずエアギターだった。これは2010年代に本人がテレビで暴露して話題になった。
しかし次第にギターを習得し、1987年の「Self Control」などの楽曲では実際にレベルの高い演奏ができるようになっていたという。
 
木根はその後、ミュージシャンとしてだけでなく、小説家としても才能を発揮した。
代表作は『CAROL』や『ユンカース・カム・ヒア』である。
 
特に『CAROL』は音楽を題材にしたファンタジー小説であり、同名アルバム『CAROL』は小説の物語に基づいた楽曲で構成されており、リスナーは音楽を通じて物語の世界に没入できる仕組みになっている。このアルバム収録の楽曲を中心とした「CAROLツアー」はファンの間で半ば伝説化しており、木根の多才さを語る上で欠かせない。
 
木根はスローバラードの作詞作曲が得意で、誰もが知る曲ではないかもしれないが、TMファンにとってはいつまでも忘れることができない名曲を数多く提供してくれた(僕は中学生の頃、「TIME PASSED ME BY」という曲を狂ったように聴いていた)。
 
一般的にあまり注目されることのない「じゃない」方の才能というのは、いつも面白いものである。
 

プロフィール

ある編集者

大学卒業後、大手出版社に勤務。
子供の頃から漫画が大好きだったが、いざ大人になると小説の編集にかかわり、多くの作品を世に送り出すことに。
ここでは思ったことを率直につぶやいてみたい。

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