2024/03/30
【ジェリー・ヤンの世界撮りっぷ】あのエミリーも行かなかったであろう、ちょっと微妙な植物園
パリのそこそこ有名な公園の中でも、5区の境目にある「パリ植物園」は一番微妙な存在だ。
まず住所は”カルチエ・ラタン”と呼ばれるエリアで、パンテオンやソルボンヌ大学がある5区になる。
あの『エミリー、パリへ行く』のエミリーが、安月給なのになぜか住んでいる地区だ。
だけど、場所的には全然お洒落とか哲学的とは言えない地区だと思う。
いつも大渋滞している大きな道路2本に挟まれて、向かいは何かと騒がしいオステルリッツ駅だ。
駅の隣はパリ有数の巨大医療施設サルペトリエール病院で、救急車が日中走っている。
ルコさんとは真逆で、まったく落ち着かない環境だ。
そして公園のデザインもフランスの基準では中途半端といえる。
©Jerry Yang
一応、左右対称の原則を守っているけど、植栽が教育優先で(植物園だからね)、全然バランスとか考えていないと思う。見ていてイライラするくらい。
でも子供たちを遊ばせるならルコさんより全然いいと思う。
©Jerry Yang
お洒落でないからこそ、子供たちが派手に遊び回っても恥ずかしくない。なんなら有料の温室と動物園も入ってるし。
ピカソやモネを目指さない子であれば、一層、この大きな公園で生物学者を目指してもいい。
造りは雑だけど「子どもたちが元気で何より」と満足できるなら、この公園でも悪くないと思う。
賑やかなお子様連れのお客様、今後も遠慮なく植物園を堪能してくださいませ。
©Jerry Yang
プロフィール
Jerry Yang(ジェリー・ヤン)
フランス・パリを拠点とするベンチャーキャピタル投資会社「HCVC」のゼネラル・パートナー。
台湾の高雄で生まれ育ち、起業家として台湾からシリコンバレーへ。渡仏した後、ベンチャー投資を行う。
趣味で世界各地を旅行し、撮影した写真が「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたこともある。
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