2024/07/02
【ジェリー・ヤンの世界撮りっぷ】米作家フィッツジェラルドが人生で最高の時間を過ごした南仏のホテル
<前回からの続き>
1924年当時、「ホテル・ベル・リーヴ」はヴィラ・サン・ルイという名の、ただの海辺の家だった。
米小説家のF・スコット・フィッツジェラルドは3年間、ここで家族と暮らしていた。
海岸線にはヴィラやドック(船着き場)が点在し、夜になると海上遠くに赤と緑の光が点滅している。毎日、陽の光を浴び、この美しい景色を眺めながら名作『グレート・ギャツビー』が完成した。
2012年にはレオナルド・ディカプリオ主演で『華麗なるギャツビー』のタイトルで映画化されている。
ヴィラ・サン・ルイで、フィッツジェラルド夫妻は水泳や日光浴、放蕩なディナーパーティーやアートショー、そしてもちろん激しい喧嘩という終わりのない生活を送った。

©Jerry Yang
1927年に夫妻が去る頃には、アンティーブそしてコート・ダジュールは、アヴァンギャルドのアーティストや俳優といった移住者たちの遊び場となっていた。
1930年、ホテル経営者のボマ・エステーヌによってヴィラ・サン・ルイは改築され、「ホテル・ベル・リーヴ」を開業した。
今のベル・リーヴは、ボマの孫娘であるマリアンヌと曾孫であるアントワーヌ・エステーヌ=ショーヴァンの管理下にある43室の豪華なブティックホテル。
テラスの広い扉の鍛鉄製ドアハンドルや、レストランのメニューに描かれたジャン・コクトーの絵とか、細かな部分に至るまで1920年代から30年代の魅力を維持している。
午後の光が柔らかくなり始めると、日光浴を楽しんでいた人々はドックからテラスへ、そしてバー・フィッツジェラルドへと移動する。
単価26ユーロのカクテル「スパークリング・スコット」はシャンパンをベースにローズ、ライム、ラズベリーと、時代を越えた雰囲気を醸し出す。
このカクテル手にして、テラスでゆっくり沈む夕日を見るのは、人生で一度はやるべきことに違いない。

©Jerry Yang
プロフィール
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Jerry Yang(ジェリー・ヤン)
フランス・パリを拠点とするベンチャーキャピタル投資会社「HCVC」のゼネラル・パートナー。
台湾の高雄で生まれ育ち、起業家として台湾からシリコンバレーへ。渡仏した後、ベンチャー投資を行う。
趣味で世界各地を旅行し、撮影した写真が「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたこともある。
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