コラム

2024/07/22

ネコろんで読む英語コラム (16)マンスプおじさん

居酒屋を経営している知人が最近、面倒な常連客を出禁にしたと言う。
理由を聞いたところ、他の常連客に絡んではどうでもいいことですぐマウントを取ろうとするらしく、前々から鬱陶しがられていたとのこと。
 
お酒が入ってくると説教臭くなり、何かと講釈をたれ始める。その人は50代くらいの男性で、だれかれ構わず絡むというわけではなくちゃんと相手を選んでおり、特に女性に絡むことが多いらしい。
自分のほうが知識が豊富であることをアピールしようとしては返り討ちにあうこともあるが、本人だけが気づいていない。
 
こういう人が一人いるだけで店の雰囲気が悪くなり、良いお客さんの足が遠のく。
今の時代、女性からの評判が落ちると飲食店としては大打撃である。そこで、取り返しのつかないことにならないうちに出入り禁止、いわゆる“出禁”にしたとのことだった。
 
私も少なからずこの手の“マウントおじさん”に絡まれたことがある。
というより、女性なら誰しも一度は経験があるのではないかと思う。
 
そしてマウントおじさんは日本に限らず世界中どこにでも生息している。
 
マウントは元々英語のmountから来ている和製英語で、本来は「馬乗りになる」という意味。相手に馬乗りになって自分の優位性を見せつける行為のことを指すが、英語では日本語のような「マウントする」という意味で使うことはない。
マウントに対する英語は、mansplainという。



Mansplainとはman(男)+explain(説明する)を組み合わせた造語で、男性が女性に対して偉そうに上から目線で説明することを表す言葉。
マンスプレイン、略してマンスプおじさんと私は心の中で呼んでいる。
 
マンスプおじさんに対抗するには無視を決め込むしかない。相手にすればするだけこちらが消耗してしまうから。
 
それにしても日本語でも英語でもこの手の言葉や造語があるというのは興味深い。国や文化は違えど人の本質はそう変わらないということなのかもしれない。
 
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執筆者プロフィール

Yumi

English Boot Camp代表。英語発音コーチ、著者。東京在住の大阪人。
2010年に開設した英語学習者向けのYouTubeはチャンネル登録者数が19万人を超える。
小学生の時にゴダイゴのタケカワユキヒデのファンになり英語に興味を持つ。
思春期は洋楽(ロック)とアメリカ文化に傾倒し、いつしか英語を教えるように。
著書に『ネコろんで学べる英語発音の本』がある。タイトルからもわかるように大の愛猫家。

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