2024/03/31
ある編集者のつぶやき #13 TBSが設立した、世界的大企業の話
昨年、TBSが日曜劇場枠で『VINANT』を制作・放映し、大きな話題になった。
制作費は民法ドラマとしては破格の1話1億円。
NHK大河ドラマの製作費が1話6,000万円とも8,000万円ともいう説があるのに鑑みると、日本ドラマとしてはどれほど異常で突出した予算である。
TBSは赤坂に赤坂サカスをはじめとした優良不動産を多く保有している。
潤沢な不動産賃料が主な収入源で、「不動産屋」が余剰で放送会社を運営しているためドラマにも莫大な制作費を投入できる、という揶揄がよく聞かれる。
現実の決算を見ると、2023年3月期実績では、確かにTBSホールディングスの営業利益の実に3割を不動産事業が叩き出している。
しかし、依然としてメディア・コンテンツ事業が営業利益の5割超を占めており、本業はやはり放送だと言って間違いない会社である(本業に比べて不動産事業の利益率が圧倒的だとしても、絶対額ではやはり本業が柱である)。
ではなぜTBSだけが民法の中で唯一、思い切ったドラマ製作費予算を組めるのか。
その秘密の一端は、TBSの保有株にあるのではないだろうか。
半導体製造装置メーカーの世界最大手の一角を占める東京エレクトロンは、実はTBS(旧㈱東京放送)が出資して作られた会社だということは、株式投資に詳しい人はともかく、一般的にはほとんど知られていない事実だろう。
東京エレクトロンのHPによれば「資本金500万円で㈱東京エレクトロン研究所を設立」とある。
東京エレクトロンは商社の旧・日商岩井(現・双日)出身の久保徳雄氏と小髙敏夫氏という二人の若者が起業した技術商社だ。その後に自ら半導体製造装置メーカーへと発展した。
そんな技術商社ベンチャーに、なぜ㈱東京放送が出資したか?
それは旧・日商岩井勤務時代の久保氏と当時の㈱東京放送技術部長・吉田稔氏が、中型コンピュータの商談を通じて面識があったためだ。
(#14につづく)
この赤坂Bizタワーも、TBSが手動した計画により誕生した赤坂サカスの一角にある。
プロフィール
ある編集者
大学卒業後、大手出版社に勤務。
子供の頃から漫画が大好きだったが、いざ大人になると小説の編集にかかわり、多くの作品を世に送り出すことに。
ここでは思ったことを率直につぶやいてみたい。
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