音楽ほか

2024/11/07

ある編集者のつぶやき #39 「700万枚」売ったWANDSの王子様が、ギラギラのパンク野郎になった話

先日、他社の同期と飲み会でカラオケスナックへ行った時の話。
 
僕がWANDSの「世界が終るまでは…」を歌い、「ボーカルの上杉昇はパンクロックに行っちゃったんだよな」と言ったら、「えっ、何それ!?」と皆にビックリされた。
 
意外に知られていない話のようなので、彼のロック遍歴を紹介してみる。
 
上杉昇は90年代前半に一世を風靡したバンドWANDSのボーカル。
アニメ『スラムダンク』とのタイアップ、高い歌唱力、王子様キャラでCDを700万枚売ったが、上杉自身は内心は忸怩たる思いだったらしい。
何しろガンズアンドローゼスが原点の彼にとっては、売れ線ポップは拷問だったろう。で、当然のごとく脱退。
 
10数年後、YouTubeで「猫騙」という聞いたこともないパンクバンドのMVが流れてきて、僕は驚愕した。
そこにはネイティブ・アメリカン風ファッションでダミ声シャウトで歌う上杉が! 
彼が本当にやりたかったのはパンクロックだったようだ。
 

 
「猫騙」ってバンド名からしてもう違和感しかない。普通にWANDSが好きだった僕にとって、未だに同一人物とは信じがたいし、パンク上杉は好みじゃない。
けど、パンクをやってる時の彼は、WANDSの時には決して見せなかったギラギラした男らしさを醸し出している。好きな音楽がやれてきっと幸せなのだろう。
 
ちなみにWANDSは初期メンバー全員が脱退し、現在は第5期。僕は全員知らない。
WANDSって歌舞伎役者の名跡か何かなのか!? 
こんなことになるなんて、あの頃の僕には何もかも予想できなかった。
 
で、先日、自宅で「世界が終るまでは…」を聴いていたら…サビで思わずダミ声シャウトしてしまった。
僕の心にも、いつの間にかパンク上杉が侵入してきたようだ…。
 

プロフィール

ある編集者

大学卒業後、大手出版社に勤務。
子供の頃から漫画が大好きだったが、いざ大人になると小説の編集にかかわり、多くの作品を世に送り出すことに。
ここでは思ったことを率直につぶやいてみたい。

画面上部に戻る