2024/10/29
【毎日がエンタメ】韓国映画『DOG DAYS 君といつまでも』を観て不安になった話
このサイトでたまにつぶやいている“ある編集者”は泣き上戸だ。
彼は今年に入ってフレンチブルドッグを飼い始めた。
何やらのっぴきならない事情で飼うことになったようで、その“アル君”はしつけがされていなかった。
だから飼い始めた当初はとても大変で、つい怒ってしまうこともあったそうだ。
すごいのは、怒った次の瞬間だ。
考えてみてほしい。
さっきまで怒っていた人が、次の瞬間、泣きながら自分を抱きしめている。
これは、まぁまぁな恐怖だ。感情の起伏が激しすぎるどころの話ではない。
こんな情緒不安定な飼い主を“アル君”は一体どう思っているのか。
そして、“ある編集者”は私たちにそんな話をしながらヤッパリ泣くのだ。
私たちはどこか引き気味でそんな話を聞くのだが、彼がトイレに行った途端、テーブルはざわつく。
女性陣は「怖くない?」と自分の腕をさすり、また別の男性編集者は「彼ってあんなキャラだったっけ? もっとクールな人かと思ってた」と首をひねる。
そして“ある編集者”がトイレから戻ってくると、皆、極力、彼と目を合わせないようにしながら口をつぐむのだった。
その“ある編集者”が楽しみにしているのが、来月公開の韓国映画だ。
『DOG DAYS 君といつまでも』
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公式HP
この映画、何がすごいのかと言えば、キャストの顔ぶれだ。
韓国人俳優として初の米アカデミー賞を受賞したユン・ヨジョンをはじめ、『シュリ』のキム・ユンジンや演技派俳優のユ・ヘジンなど、韓国映画界を代表するキャストが集結。まるで大作映画のような豪華キャスティングになっている。
だが、愛犬家にはおそらくどうでもいいことだろう。
映画のタイトルは『DOG DAYS 君といつまでも』。
“ある編集者”ら愛犬家にとっては、まさに犬が主役なのだから。
試写会を観て確信した。
エンドロールが流れると同時に、号泣しながら映画の感想を語るであろう、情緒不安定な“ある編集者”の姿がリアルに思い浮かんだ。
果たして、私たちはどうやって彼を受け入れるべきか。
泣き上戸の彼が『DOG DAYS 君といつまでも』を観たあとの課題でもある。
児玉愛子(らぶこ)
韓国コラムニスト。韓流エンタメ誌、単行本、ガイドブック等の企画から取材、執筆を行う。
メディアで韓国映画を紹介するほか、日韓関係やエンタメコラムを寄稿する韓国ウオッチャー。
イラスト:Rin
執筆者プロフィール
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