2024/02/27
《藤田久美子の旅エッセー》ブルゴーニュの中心地、ディジョンへの旅。パリからTGVに乗って美食の街へ
フランス東部に位置する旧ブルゴーニュ公国の首都・ディジョンは、マスタードとエスカルゴで有名な美食の都である。
ディジョンマスタードは、マスタードシードの殻の部分を取り除いてすりつぶし白ワインや白ワインビネガーに漬け込んで作られ、滑らかで穏やかな辛さが特徴。エスカルゴは、ディジョン市内の庶民的な郷土料理のレストランで食べることができるブルゴーニュ名物だ。
ミシュランの星を持っているレストランは2023年時点で市内に28軒もあって、「L‘Arome 」、「L’ASPÉRULE」、「Restrant So」の3軒は、日本人シェフの星付きレストランである。
中世の面影を色濃く残す美しい歴史遺産は数百メートル四方の旧市街地に集中しており、14世紀に建てられたブルゴーニュ公宮殿の一部は美術館になっていて、ゴージャスな収蔵品から当時の栄華が偲ばれる。
フランス王室より栄えていたとも言われるブルゴーニュ公国時代の宮殿
「ディジョン美術館」フィリップ豪胆公の棺
デジョン駅から、歴史地区とは逆に向かってトラムで4駅。ディジョンのイメージに似合わない現代的な建物が見えてくる。
Cité Internationale de la Gastronomie et du Vin(シテ・ド・ラ・ガストロノミー・エ・デュ・ヴァン/国際ガストロノミー・ワイン・センター)は、ロマネ・コンティのロマネ村をはじめとするブルゴーニュワインの産地を貫くグラン・クリュ街道の始点に位置している。
2022年5月オープン。6.5ヘクタールの敷地のほとんどは病院として使われていた建物をリノベーションして利用している
2023年10月には日本食のイベントも開催され、インフォメーションに座っていた男性によれば、OMUSUBIがとても美味しかったそうだ。
フランスの食の歴史や地方色を学ぶことができるミュージアムは有料だが、施設への入場は無料で、ミシュラン三ツ星シェフ監修のブラッセリー、圧倒されるほどの品揃えのチーズやマスタードといった食材および台所用品の専門店、食にまつわる本を扱う書店、料理学校などが入っている。
ミュージアム内、映像による調理レッスンコーナー
ワインラヴァーが足を運ぶべき「La Cave de la Cité(ラ・カーヴ・ドゥ・ラ・シテ)」には、世界各国のワインやスピリッツ3000本が常備されていて、そのうち200本はテイスティングが可能。ワイングラスのおみやげ付で、フランス語・英語で解説してもらえるブルゴーニュワインのテイスティングコーナーも用意されている。
専用のプリペイドカードを購入して装置に挿入し、好みのワインと量を選んでテイスティングできる
ディジョンへは、パリのリヨン駅からTGVに乗って1時間半ほど。パリからの一泊旅行におすすめの街だ。
藤田久美子
ライター・エディター・トランスレーター。トレンド誌、ビジネス誌の執筆、編集のほか、IT系を中心に翻訳者として活動。著書に「大事なことはみんなリクルートから教わった」(共著・ソフトバンク文庫)、「松本隆のことばの力」(集英社インターナショナル新書)など。
執筆者プロフィール
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