2024/03/09
【ジェリー・ヤンの世界撮りっぷ】ちょっと賑やかなパリの日常
2月はほぼ丸1ヶ月、台湾と日本に出張していた。長い出張が終わり、ようやくパリに帰ってきた。
©Jerry Yang
留守の期間、マンションの住民たちがコミュニケーションツールの「WhatsApp(ワッツアップ)」グループで騒いでいたことがあった。
どうやら泥棒が入ったようだった。
被害はなかったけど、マイホーム持ちの住民たちが「多分4階の賃貸の学生さんが、また1階のドアを開けっ放しにしていたからだね」と言い合っていた。
日本の団地文化ほどではないけど、こういう偏見はやっぱりどんな国にもあるんだなと思った。
そして帰って早々、ビルのどこかでガス漏れ探知機が鳴っていた。
いつも熱心な住民委員会の委員長が「皆、ビルを一旦出てください!」とWhatsAppグループで警告していた。
グループメンバーが「そうなの?」、「どこのフロア?」、「うちじゃないよ!」と大量のメッセージが一気に来たけど、外に出たら僕一人だった。
まるで台湾の地震のときと同じだ。
災難が目前に迫るまで家にいて、スマートフォンで皆と話すだけで安心する。根拠ゼロの安心。
真冬に一ヶ月も留守にしたので、室内の壁は芯まで凍っていたみたい。すべての部屋の暖房をフル稼働させたけど、3時間たっても部屋はまだ肌寒かった。
翌朝は時差ボケで、7時半に家を出た。会社に向かうとき、「この時間帯の街もずいぶん明るくなったな」と気持ちよかった。
春がこれから来る。
プロフィール
Jerry Yang(ジェリー・ヤン)
フランス・パリを拠点とするベンチャーキャピタル投資会社「HCVC」のゼネラル・パートナー。
台湾の高雄で生まれ育ち、起業家として台湾からシリコンバレーへ。渡仏した後、ベンチャー投資を行う。
趣味で世界各地を旅行し、撮影した写真が「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたこともある。
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